クレバリーホームで建てようと決めたあと、次に向き合うのは「どの加盟店に依頼するか」という問題です。クレバリーホームはフランチャイズ展開のため、契約相手も工事をするのも本部ではなく地域の加盟企業になります。つまり、メーカーを決めた時点ではまだ半分しか決まっていません。ここでは、加盟店を選び切るまでにやるべきことを、情報の集め方から契約前の書面化まで順番に整理します。
加盟店を選ぶ前に確認する3つの情報源
加盟店選びは、展示場に足を運ぶ前の「机の上の作業」で半分決まります。会う前にどれだけ調べたかで、面談での質問の質が変わり、判断のスピードも変わります。最初に押さえるべき情報源は次の3つです。
1. クレバリーホーム公式サイトの店舗検索
公式サイトには全国の店舗一覧が掲載されており、店舗ごとに運営会社名が記載されています。まず見るべきは店舗名ではなく、その下にある運営会社の社名です。「クレバリーホーム◯◯店」という看板は共通でも、その裏にいる会社はまったく別の企業です。ここで社名を控えることが、以降のすべての調査の起点になります。
2. 運営会社そのものの企業情報
控えた社名で検索すると、その会社の自社サイトが出てくることがほとんどです。ここで確認したいのは以下です。
- 設立年と業歴:地域で何年営業しているか
- 本業が何か:住宅専業か、不動産・リフォーム・土木などを兼業しているか
- クレバリーホーム以外の事業:他ブランドのFCも運営しているか、自社ブランドを持っているか
- 社員数と施工エリア:現場監督を何人抱えられる規模か
- 建設業許可・宅建業免許の番号:許可番号のカッコ内の数字は更新回数を示し、業歴の長さの目安になる
建設業許可番号の「(般-3)」といった表記のカッコ内の数字は、5年ごとの更新を何回受けたかを表します。数字が大きいほど長く営業を続けているということです。名刺や会社概要ページに必ず載っているので、初回面談のときにさりげなく見ておくと参考になります。
3. 地域の口コミと実物の評判
ここで言う口コミは、ブランド全体の評判ではなくその運営会社に対する口コミです。全国レベルの評判サイトを見ても、加盟店ごとの差は見えてきません。地図アプリの店舗レビュー、地域の掲示板、SNSで社名を検索する、といった地道な方法のほうが実態に近い情報が出てきます。件数が少なくても、引き渡し後の対応について書かれた投稿があれば読む価値があります。
施工エリアと担当加盟店の調べ方
フランチャイズでは、建築予定地の住所によって担当する加盟店が決まるのが一般的です。ここを理解していないと、「隣の市の店舗のほうが感じが良かったのに、うちの土地は担当外だった」ということが起こります。
まず建築予定地を確定させる
土地が決まっていない段階では、担当加盟店も確定しません。逆に言えば、土地探しの段階からエリアを伝えておくと、その土地を担当する加盟店に話が回ります。土地探しから相談する場合は、候補エリアが複数あるなら最初にそう伝えてください。
施工エリアの境界を具体的に聞く
「◯◯県全域」と書かれていても、実際には現場から片道1時間以内といった実務上の線引きがあることがあります。確認したい質問は次のとおりです。
| 確認する項目 | 聞き方の例 | なぜ重要か |
|---|---|---|
| 対応可能な市町村 | 「この住所は施工エリアに入りますか」 | 境界だと対応不可、または遠方費が加算される場合がある |
| 遠方費・出張費の有無 | 「エリア外に近い場合、追加費用は発生しますか」 | 見積もりに後から乗ってくることがある |
| 現場からの距離 | 「御社の事務所から現場まで何分ですか」 | 監督の巡回頻度と、引き渡し後の対応速度に直結 |
| アフター対応の担当 | 「点検や修理は御社の社員が来ますか」 | 外部委託か自社対応かで対応品質が変わる |
事務所から現場までの距離は、想像以上に効いてきます。現場監督が近ければ立ち寄る回数が増え、引き渡し後に不具合が出たときも早く来てもらえます。片道1時間半かかる加盟店と、20分の加盟店では、10年後の付き合い方がまるで違います。距離は「今」だけでなく「これから」の話です。
加盟店の施工実績を確認する具体的な方法
ここが加盟店選びの中心です。パンフレットに載っている写真は本部が用意した全国共通のものであることが多く、目の前の加盟店が実際に建てた家とは限りません。自分が依頼しようとしている会社の実物を見る、という一点にこだわってください。
年間の着工棟数を聞く
まず聞きたいのは「年間何棟建てていますか」です。数字の大小そのものより、その規模に見合った体制があるかを見ます。年間5棟の会社が丁寧に建てることもあれば、年間30棟の会社が体制を整えて回していることもあります。危ういのは、棟数が急増していて監督の人数が追いついていないケースです。あわせて「現場監督は何人いて、一人が同時に何現場を持ちますか」と聞くと、体制が見えます。目安として監督1人あたり同時4〜6現場を超えてくると、目が届きにくくなる傾向があります。
完成見学会・OB宅見学を申し込む
もっとも情報量が多いのがこれです。展示場は本部仕様のフルオプションですが、完成見学会はその加盟店が実際に受注して建てた実在の家です。予算帯も現実的で、施工の丁寧さがそのまま見えます。
- クロスの継ぎ目、巾木や見切り材の納まり
- 建具の建て付け(実際に開け閉めさせてもらう)
- 外壁タイルの目地の通り、コーキングの仕上がり
- 設備の取り付け位置の考え方
- 収納の造作が実用的か
さらに踏み込めるのがOB宅見学です。引き渡しから数年経った家を見せてもらえるなら、施主に直接「アフターの対応はどうでしたか」と聞けます。OB宅を紹介できるかどうか自体が、その加盟店と施主の関係性を映す指標でもあります。
建築中の現場を見せてもらう
完成後には見えない部分を確認できる、貴重な機会です。見るべきは家の出来栄えというより現場の状態です。
建築中の現場でチェックしたいのは3点です。
① 整理整頓されているか(資材が雨ざらしになっていないか、ゴミが散乱していないか)
② 養生が丁寧か(床や建具が保護されているか)
③ 職人の挨拶と雰囲気(現場の空気は仕上がりに出ます)
この3つが揃っている現場は、まず外れが少ないというのが現場を見てきた実感です。
加盟店を比べているけれど、どこを基準に決めればいいか整理がつかない。そんなときは第三者に状況を話してみると、判断の軸が見えてきます。
LINEで無料相談する住宅完成保証の加入状況を聞く
加盟店選びで、聞きにくいけれど必ず確認したいのが住宅完成保証です。これは、工事中に施工会社が工事を続けられなくなった場合に、前払いした工事代金や、他の業者が引き継いで完成させるための増加費用を、一定の範囲で保証する仕組みです。
なぜ確認が必要なのか
注文住宅は、着工金・中間金・最終金と分割で支払うのが通常です。建物が完成していない段階で、すでに代金の相当部分を支払っている状態になります。この構造上、完成保証があるかどうかで、施主が負うリスクの大きさが変わります。
聞き方と確認事項
「御社は住宅完成保証に加入していますか」とストレートに聞いて構いません。加入している会社なら即答できますし、むしろ強みとして説明してくれます。聞くべき内容は次のとおりです。
| 確認項目 | ポイント |
|---|---|
| 加入の有無 | 加入していない場合、代替の保全策があるかを聞く |
| 保証機関の名称 | どの機関の制度を使っているか |
| 保証の上限額と範囲 | 請負金額に対して何割まで保証されるか |
| 登録のタイミング | 契約時か着工時か。書面で残るか |
| 費用負担 | 施主負担か会社負担か、負担額はいくらか |
あわせて確認したいのが住宅瑕疵担保責任保険です。こちらは新築住宅の売主・請負人に加入が義務づけられているもので、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防ぐ部分について、引き渡しから10年間の瑕疵を保証します。完成保証は「工事中」、瑕疵保険は「引き渡し後」と、守る場面が違います。両方について、保険法人名と保険証券の交付時期を聞いておいてください。
もう一つ、支払い条件そのものも交渉の余地があります。着工金の比率を下げてもらう、出来高に応じた支払いにしてもらうといった形にできれば、未完成の状態で預ける金額を減らせます。「そういう対応は可能ですか」と聞いてみる価値はあります。
複数加盟店から見積もりを取れるか
同じクレバリーホームでも、加盟店が違えば見積もり額は変わります。仕入れ条件、下請けの職人、経費率、地域の相場が異なるためです。ここで気になるのが「同じブランドで相見積もりを取っていいのか」という点です。
エリアが重ならなければ比較は難しい
前述のとおり、担当加盟店は建築地の住所で決まるのが一般的です。したがって同一の土地について複数の加盟店から見積もりを取るのは、原則としてできないと考えてください。これはクレバリーホームに限らず、フランチャイズ形式のメーカー全般に共通する構造です。
では何と比べるか
比較の相手は、同価格帯の他メーカー・地域工務店になります。クレバリーホームの坪単価はおおむね55万円〜90万円のミドル価格帯です。同じ帯にいる他社と並べることで、担当加盟店の見積もりが妥当かどうかが見えます。
比較で見るべきは総額だけではありません。同じ条件で並んでいるかを必ず揃えてください。延床面積、階数、耐震等級、断熱仕様、外構の有無、屋外給排水、地盤改良費の計上、諸費用の含み方。ここが揃っていない見積もりを金額だけで比べると、判断を誤ります。見積もりの読み方は注文住宅の見積もり比較ガイドで詳しく解説しています。
土地が未定なら選択肢が広がる
土地をまだ買っていない段階なら、候補地によって担当加盟店が変わるため、結果的に複数の加盟店と接点を持てることがあります。エリアをまたいで土地を探している方は、この点を意識しておくと選択の幅が広がります。
加盟店との契約前に書面で残すこと
加盟店を決めたら、最後は「言った・言わない」を潰す作業です。フランチャイズでは、本部が定める仕様と、加盟店ごとの運用が混在します。口頭の説明がどちらの話なのか、境目が曖昧になりやすいので、書面化が効きます。
書面で残したい項目
- 契約の当事者:契約書の相手方が加盟店の運営会社名になっていることを確認。本部との契約ではありません。
- 標準仕様の明細:外壁タイルの品番と選べる範囲、断熱材の種類と厚み、サッシとガラスの仕様、住宅設備のメーカーと型番。「標準です」の口頭説明ではなく、仕様書で。
- 見積書に含まれない費用の一覧:地盤改良、屋外給排水、外構、照明、カーテン、空調、登記、火災保険、引っ越し。含まれていない項目は明記してもらう。
- 工程表と引き渡し予定日:着工予定日と引き渡し予定日、遅延時の取り扱い。
- 保証とアフター:初期保証年数、延長保証の条件、定期点検の時期と回数、点検が有償か無償か、点検を実施するのは加盟店か外部か。
- 完成保証・瑕疵保険:加入状況と保険法人名、証券の交付時期。
- 担当者:営業・設計・現場監督の氏名。担当変更時の連絡ルール。
- 変更時のルール:仕様変更の締切日と、変更に伴う費用・工期の扱い。
特に注意したいのが「本部の制度」と「加盟店の運用」の線引きです。長期保証や点検制度について説明を受けたとき、それが全国共通の制度なのか、その加盟店独自のサービスなのかを確認してください。加盟店独自のものであれば、その会社が継続していることが前提になります。制度の出どころを聞くだけで、話が具体的になります。
打ち合わせの議事録を毎回もらい、内容に相違がないか確認して返信する。これを習慣にするだけで、後半のトラブルは大きく減ります。メールで記録が残る形にしておくのがおすすめです。どんな質問を投げればいいかは注文住宅の打ち合わせで聞くこと完全ガイドが参考になります。
クレバリーホームというブランド自体の特徴や、外壁タイルを含む商品面の評価についてはクレバリーホームのタイル外壁は本当にいい?評判と耐久性の実態で扱っています。契約直前の全般的なチェックは注文住宅の契約前に確認すること10選を、工務店選びで起きがちなトラブルは工務店選びで失敗しない方法をあわせてご覧ください。
よくある質問
Q. 加盟店は自分で選べますか?
A. 建築予定地の住所によって担当加盟店が決まるのが一般的で、同じ土地について自由に選び直すことは通常できません。ただし土地が未定の段階であれば、候補エリアによって担当が変わるため、結果的に複数の加盟店と接点を持てる場合があります。土地探しから相談するなら、候補エリアを最初に伝えておくとよいでしょう。
Q. 加盟店の担当者と合わない場合、変更してもらえますか?
A. 会社の規模によりますが、社員が複数いる加盟店であれば相談できることがあります。担当変更を切り出すのは気が引けるものですが、家づくりは半年以上の付き合いになります。違和感を抱えたまま進めるより、早い段階で率直に相談するほうが結果的にうまくいきます。契約前であれば、なおさら遠慮は不要です。
Q. 展示場を見れば加盟店の実力は分かりますか?
A. 展示場はブランドの世界観を伝える場で、仕様も上位グレードが中心です。加盟店の施工品質を判断する材料としては不十分といえます。実力を見るなら、その加盟店が実際に受注して建てた完成見学会や、建築中の現場を見せてもらうほうが確実です。
Q. 加盟店ごとに標準仕様は違いますか?
A. 商品ごとの基本的な標準仕様は本部が定めていますが、地域の気候に合わせた仕様や、加盟店独自のキャンペーン仕様が加わることがあります。「標準です」と説明された項目については、仕様書や見積書の明細で品番まで確認しておくのが確実です。
Q. 加盟店の決算期を狙うと有利ですか?
A. 加盟店の決算期は運営会社ごとに異なるため、本部の決算期とは限りません。棟数目標に届いていない時期は交渉に応じやすい傾向はありますが、時期だけを狙って急いで契約するのは本末転倒です。仕様と条件の納得を優先し、タイミングは補助的な要素と考えてください。
Q. 見学会に行くと営業が強くなりませんか?
A. 見学会への参加自体は情報収集として自然な行動で、断りにくくなるということはありません。連絡手段を限定したい場合は、申込時に「メール連絡のみ希望」と伝えておくと負担が減ります。断り方に不安がある方はクレバリーホームの営業はしつこい?訪問・電話を断る方法も参考になります。
Q. 加盟店を決める前に、どのくらい時間をかけるべきですか?
A. 目安として1〜2か月は見ておきたいところです。公式情報と企業情報の確認に数日、初回面談、完成見学会や建築中の現場見学、他社との比較検討、と進めるとそれくらいになります。契約を急かされても、この工程を飛ばさないでください。ここで手を抜くと、後の半年間に響きます。
この記事のまとめ
- クレバリーホームで実際に契約・施工するのは地域の加盟企業。まず運営会社の社名を控えることから始める
- 担当加盟店は建築予定地の住所で決まるため、土地の確定と加盟店の確定は連動する
- 実力を測る最良の材料は、その加盟店が建てた完成見学会・OB宅・建築中の現場
- 住宅完成保証と瑕疵担保責任保険は、守る場面が違う。両方の加入状況を確認する
- 同一土地での相見積もりは難しいため、比較相手は同価格帯の他社・地域工務店
- 標準仕様・含まれない費用・保証・担当者・変更ルールは、契約前にすべて書面化する



















