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全館床暖房のハウスメーカー比較|費用と電気代

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冬の朝、リビングは暖かいのに廊下と洗面所が凍えるほど寒い。そんな家をもう一度建てたくない、という思いから「全館床暖房のハウスメーカー」を探し始める人は多いはずです。結論から書くと、全館床暖房を標準仕様で全棟に載せているのは一条工務店だけで、他社はオプション対応か、全館空調との組み合わせで家じゅうの温度差を消しにいく形になります。費用は延床30坪で総額プラス100万〜250万円前後、冬の電気代は月8,000〜15,000円あたりがひとつの目安です。

相談者
全館床暖房っていいなと思うんですけど、電気代が怖くて踏み切れません。しかも各社「うちも床暖房できます」と言うので、何が違うのか分からなくなってきました。
住まぽちスタッフ
「できる」と「標準で全部屋に入っている」は全然違います。まずは標準か・オプションか、そして熱源が何か。この2点で各社を並べ直すと、驚くほど比較しやすくなりますよ。

全館床暖房のハウスメーカーは実は少ない|標準採用は一条工務店だけ

全館床暖房のハウスメーカーは実は少ない|標準採用は一条工務店だけ

「全館床暖房」という言葉は、各社が少しずつ違う意味で使っています。ここを揃えないと比較になりません。

全館床暖房の定義を先に揃える

本来の全館床暖房とは、LDKだけでなく廊下・洗面脱衣室・トイレ・2階の居室まで含めて床下に配管や電熱線を通し、家全体を面で暖める方式を指します。一方、多くのハウスメーカーが「床暖房対応」と呼ぶのは、LDKの一部(8畳〜12畳程度)に敷く部分床暖房です。

部分床暖房でもリビングの快適性は上がります。ただし、ヒートショックの原因になる廊下・脱衣所の寒さは解消されません。ここを勘違いすると、引き渡し後に「思っていた全館床暖房と違った」となります。

ここを必ず確認
営業担当に「床暖房は標準ですか?」と聞くだけでは足りません。「1階の全室と2階の居室まで入りますか。廊下と洗面所も入りますか」まで踏み込んで聞いてください。回答が曖昧なら、その会社の全館床暖房は部分床暖房です。

標準採用と、オプション対応の違い

全館床暖房を全棟標準で載せているハウスメーカーは、現状ほぼ一条工務店に限られます。理由は単純で、床暖房を家じゅうに敷くには住宅そのものの断熱性能が高くないと電気代が破綻するからです。断熱がそこそこの家に全館床暖房を入れると、暖めた熱がそのまま外へ逃げ、莫大なランニングコストがかかります。

つまり全館床暖房は、設備の話に見えて断熱性能とセットの話です。標準採用しているメーカーが少ないのは、企業努力の差ではなく、断熱仕様の前提が違うからだと理解しておくとよいでしょう。

全館空調という「もうひとつの答え」

家じゅうの温度差をなくす手段は、床暖房だけではありません。三井ホームのスマートブリーズ、桧家住宅のZ空調に代表される全館空調も、同じ課題への回答です。

床暖房が「足元からじんわり暖める」のに対し、全館空調は「空気ごと家全体の温度を揃える」。冬の体感は床暖房のほうが穏やかで、夏の冷房まで一台でまかなえるのは全館空調です。全館空調の詳細は全館空調ハウスメーカー比較12社の記事で各社の方式を整理しています。

全館床暖房のハウスメーカー比較|方式と特徴を横並びで見る

全館床暖房のハウスメーカー比較|方式と特徴を横並びで見る

床暖房には大きく分けて温水式と電気式(ヒーター式)があり、さらに温水を何で作るかで電気代が大きく変わります。

方式熱源特徴ランニング傾向
温水式(ヒートポンプ)電気(空気熱を汲み上げる)全館床暖房の主流。立ち上がりは遅いが安定運転向き低め
温水式(ガス給湯器)都市ガス・LPガス立ち上がりが速い。部分床暖房で採用が多い中〜高(ガス種による)
電気ヒーター式電気(直接発熱)初期費用が安く小面積向き。全館には不向き高い

全館で使うなら、ヒートポンプ式の温水床暖房がほぼ唯一の現実解です。電気を熱に直接変える電気ヒーター式は、投入した電力量以上の熱は出ません。対してヒートポンプは外気の熱を汲み上げるので、同じ1kWhで3倍前後の熱を運べます。全館規模で年中使うなら、この差が年間の光熱費として跳ね返ります。

一条工務店|全館床暖房の実質的な代表格

一条工務店は全館床暖房(ヒートポンプ温水式)を標準搭載し、断熱性能もUA値の面で国内トップクラスに位置づけられます。坪単価は概ね80万〜100万円のレンジで語られることが多く、床暖房分を含めた価格である点を差し引くと、設備単体で追加費用が発生しないのは強みです。

ただし全棟に載る仕様のため、「床暖房はいらないから他にお金を使いたい」という選択がしづらい面もあります。実際の電気代の推移は一条工務店の全館床暖房の電気代を5年分検証した記事にまとめています。

三井ホーム・桧家住宅|全館空調で温度差をなくす路線

三井ホームは全館空調スマートブリーズを軸に、ツーバイフォーの高い断熱性能と組み合わせて家じゅうの温度を揃えます。坪単価は90万〜120万円程度と高めですが、デザイン性と設備を含めた総合力で選ばれています。詳しくは三井ホームの全館空調の維持費と坪単価の記事を参照してください。

桧家住宅はダイキンと共同開発したZ空調により、ミドルコスト帯で全館空調を実現しています。坪単価60万〜95万円という価格帯で温度差の少ない家をつくれる点が支持されています。

高性能系工務店という第三の選択肢

意外と見落とされがちですが、UA値0.3前後の高性能工務店で温水床暖房をオプション採用するという手もあります。断熱が十分なら、1階のみの床暖房でも階段を通じて2階まで暖気が回り、実質的に全館床暖房に近い体感が得られるケースがあります。

断熱等級6〜7クラスの家では、床暖房を1階だけに絞っても家全体の温度差が2〜3℃に収まることがあります。設備でねじ伏せるか、躯体性能で楽をするか——この視点を持つだけで、比較する会社の幅が一気に広がります。

全館床暖房の費用はいくら?初期費用の相場と内訳

全館床暖房の費用はいくら?初期費用の相場と内訳

費用の話は、必ず「初期費用」と「ランニング費用」と「更新費用」の3つに分けて考えます。

初期費用の目安

延床30坪の家に全館床暖房(ヒートポンプ温水式)を後付けオプションで入れる場合、おおむね100万〜250万円が相場レンジです。内訳は熱源機(ヒートポンプユニット)、床下配管、専用の床材、電気工事、制御機器。面積が広がるほど配管長が伸びるため、35坪・40坪と大きくなれば上振れします。

一方、一条工務店のように標準搭載の場合は、この費用が本体価格に織り込まれています。「床暖房が無料」なのではなく、坪単価に含まれている——ここを取り違えると、他社と坪単価だけを並べたときに判断を誤ります。

見積書のどこに載るのか

ハウスメーカーの見積書は、大きく4つに分かれます。本体工事費(建物そのもの)、付帯工事費(給排水引込・外構・地盤改良など)、提案工事費(オプション設備)、諸費用(登記・ローン手数料・火災保険など)。

全館床暖房は多くの場合提案工事費に計上されます。つまり初回に提示される「本体価格」には入っていません。この構造を知らずに本体価格だけで比較すると、契約後に予算が跳ね上がります。見積もりの読み方は注文住宅の見積もり比較ガイドで詳しく解説しています。

Aさん(30代・栃木県・32坪・総額3,180万円)
最初にもらった見積もりは2,850万円で、そこに全館床暖房が入っていないことに気づいたのは3社目の打ち合わせでした。追加すると180万円。慌てて他社の見積もりも見直したら、同じように「床暖房なし」で出ている会社が2社ありました。比較する土俵が揃っていなかったんです。最終的には床暖房込みで比較し直して契約しました。

10年後・15年後にかかる更新費用

見落としがちなのが、熱源機の交換です。ヒートポンプユニットの想定耐用年数はおおむね10〜15年で、交換費用は40万〜80万円程度を見込んでおくと安心です。床下の配管自体は30年以上の耐久性が想定されており、通常は交換不要とされています。

全館空調も同様に、10〜15年での本体交換費用(100万〜200万円規模)が発生します。初期費用の差より、30年間の総コストで比べるほうが、実態に近い判断ができます。

全館床暖房を入れるべきか、断熱性能を上げてエアコンで済ませるか。予算と地域から逆算した判断は、複数社を回る前に整理しておくと動きが速くなります。

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全館床暖房の電気代は月いくら?冬季の実態と地域差

全館床暖房の電気代は月いくら?冬季の実態と地域差

最も知りたいのはここでしょう。全館床暖房の電気代は、住宅の断熱性能・地域・設定温度・電力プランの4つで決まります。同じ設備でも、家によって2倍以上の差が出ます。

冬季の月額目安

高断熱住宅(UA値0.4前後)で延床30坪、温暖地(東京・大阪・名古屋など)の場合、冬季(12〜2月)の床暖房分の電気代はおおむね月8,000〜15,000円のレンジで語られます。家全体の電気代としては月20,000〜30,000円になるイメージです。

寒冷地(北海道・東北・長野など)では、暖房負荷そのものが2倍近くになるため、月20,000円を超えるケースも珍しくありません。逆に太陽光発電を載せている場合は、昼間の自家消費で実質負担が月5,000〜10,000円まで下がることもあります。

条件冬季の暖房電気代目安(月)ポイント
温暖地・高断熱・太陽光あり約5,000〜10,000円昼間の自家消費で相殺
温暖地・高断熱・太陽光なし約8,000〜15,000円最も一般的なレンジ
寒冷地・高断熱約15,000〜25,000円暖房期間も長い
断熱が平凡な家に後付け約20,000〜35,000円非推奨のパターン

「つけっぱなし」が正解になる理由

一般には「使わないときは消したほうが節約になる」と思われがちですが、全館床暖房に関してはつけっぱなしのほうが安くなることが多いのが実情です。

床暖房はコンクリート基礎や床材そのものを蓄熱体として使うため、立ち上がりに数時間かかります。切ったあと再び暖めるときに大きな電力を消費するので、低い設定温度で連続運転したほうがトータルの消費電力が小さくなる、という構造です。

電気代を下げる現実的な打ち手

  • 設定温度を1℃下げる(体感差は小さく、消費電力は数%単位で減る)
  • 深夜電力が安いプランに切り替え、蓄熱運転を夜間に寄せる
  • 太陽光+蓄電池で昼間の自家消費率を上げる
  • 使わない部屋のエリアだけ止める(ゾーン制御がある機種のみ)

電気代が跳ね上がる家の共通点

相談を受けていて「電気代が想定の倍かかっている」というケースには、はっきりした共通点があります。断熱性能が設備に見合っていない吹き抜けや大開口に対して窓の性能が足りていない気密測定をしていない——この3つです。

特に気密(C値)は盲点になりがちです。どれだけ断熱材を厚くしても、隙間から空気が漏れれば暖めた熱は逃げます。全館床暖房を検討するなら、C値の実測値を出してくれるかを必ず確認してください。

全館床暖房で後悔する人・満足する人の分かれ目

全館床暖房で後悔する人・満足する人の分かれ目

後悔しやすいパターン

プロとして正直に書くと、全館床暖房が合わない人もいます。

ひとつは共働きで日中ほぼ家にいない家庭。連続運転が前提の設備なので、在宅時間が短いほど費用対効果は落ちます。もうひとつは温暖な地域で冬の暖房期間が短い家庭。九州や四国の平野部では、年間で床暖房を使う期間が2〜3か月しかなく、初期投資の回収に時間がかかります。

さらに、床材の選択肢が狭まる点も見落とされがちです。無垢材の一部は熱による反りが出るため、床暖房対応品に限定されます。無垢床にこだわりが強い人は、事前に選べる樹種を確認しておくべきです。

Bさん(40代・兵庫県・36坪・総額3,650万円)
全館床暖房を入れましたが、正直「入れてよかった」と思ったのは3年目の冬でした。1年目は電気代が気になって設定温度を下げすぎ、結局ファンヒーターを併用してしまって本末転倒。営業さんに「21℃で連続運転にしてみてください」と言われて切り替えたら、体感も電気代も安定しました。使い方を教わるまでが長かったです。

満足度が高い人の条件

逆に満足度が高いのは、寒冷地・準寒冷地に住んでいる在宅時間が長い小さな子どもや高齢の親と同居しているアレルギーがあり風で埃を舞わせたくないという条件に当てはまる人です。

特に最後の点は床暖房の大きな利点です。エアコンのように空気を動かさないため、ハウスダストが舞いにくく、乾燥もしにくい。この体感差は、カタログのスペック比較では絶対に見えてきません。

営業トークの見抜き方
「うちの床暖房は電気代が月◯円です」と即答されたら、必ず何坪・どの地域・どの断熱仕様・電力プランは何かを聞き返してください。前提条件を言わない月額提示は、比較の役に立ちません。

全館床暖房のハウスメーカーを賢く比較する手順

全館床暖房のハウスメーカーを賢く比較する手順

ステップ1:地域と断熱等級から絞る

まず自分の地域区分(1〜8地域)を確認し、断熱等級6以上を標準で満たすメーカーに絞ります。ここを飛ばして設備の有無だけで選ぶと、ランニングコストで泣きます。

ステップ2:同じ条件で見積もりを取る

3社に見積もりを依頼するなら、「延床32坪・全館床暖房あり・太陽光5kW・外構込み・地盤改良は仮定額で」というように条件を文章で統一して渡すこと。各社が自由に前提を設定すると、比較不能な見積もりが3枚並ぶだけです。

ステップ3:ランニング+更新費用まで含めて30年で比べる

初期費用200万円の差は、30年間の光熱費差で逆転することがあります。逆に、更新費用を無視すると後から効いてきます。注文住宅の総額と坪単価の相場をまとめた記事も合わせて確認しておくと、全体予算の中での位置づけが見えます。

営業攻勢に疲れたら窓口を1つにする

全館床暖房は高性能住宅の領域なので、検討すると各社の営業が一気に本気を出してきます。展示場を回るたびに連絡先を渡し、電話とメールが止まらなくなる——これは家づくりで最も心が折れるポイントのひとつです。

住まぽちはLINEで完結する相談窓口です。しつこい営業電話はなく、条件を伝えれば合いそうな会社だけを整理してお返しします。何社も同じ話を繰り返す必要がない、という点だけでも検討期間の負担はかなり変わります。家づくりに疲れたときの対処法も参考にしてください。

よくある質問

Q. 全館床暖房は本当に一条工務店しかないのですか?

A. 「全棟標準」という意味では実質的に一条工務店だけですが、オプションで全館床暖房に対応できるハウスメーカーや高性能工務店は複数あります。ただし、断熱性能が伴わない家に入れると電気代が跳ね上がるため、設備の可否より断熱等級を先に確認してください。

Q. 全館床暖房と全館空調はどちらがよいですか?

A. 冬の快適性と空気を汚さない点では床暖房、夏の冷房まで一台でまかなえる点では全館空調が優れます。寒冷地で冬の快適性を最優先するなら床暖房、温暖地で夏の暑さ対策も重視するなら全館空調、というのが基本的な考え方です。

Q. 全館床暖房の電気代は夏もかかりますか?

A. 床暖房自体は暖房設備なので、夏は停止させます。夏の冷房はエアコンで別途行うため、その分の電気代は通常どおりかかります。年間で見ると、暖房期間の電気代が突出して高くなる形になります。

Q. 床暖房を入れると床材は選べなくなりますか?

A. 完全に選べなくなるわけではありませんが、床暖房対応品に限定されます。無垢材は樹種によって反りが出るため対応品が絞られ、タイルやシートフローリングは比較的選択肢が広く残ります。床材へのこだわりが強い場合は、契約前に選択可能なリストをもらってください。

Q. 10年後にメンテナンス費用はいくらかかりますか?

A. 熱源機であるヒートポンプユニットは10〜15年で交換時期を迎え、40万〜80万円程度が目安です。床下の配管は30年以上の耐久性が想定されており、通常は交換不要とされています。長期修繕計画に熱源機の交換費用を組み込んでおくと安心です。

Q. 全館床暖房を後から追加することはできますか?

A. 技術的には可能ですが、床をすべて剥がす大掛かりなリフォームになるため、費用は新築時の2倍以上かかることが一般的です。将来入れる可能性があるなら、少なくとも配管ルートと熱源機の設置スペースだけは新築時に確保しておくのが現実的です。

Q. どのタイミングで各社に相談すればよいですか?

A. 土地の目処が立ち、総予算の上限が決まった段階が理想です。全館床暖房は延床面積と地域で費用が大きく変わるため、この2つが決まっていないと精度の高い見積もりが出ません。逆に言えば、その2つさえ決まれば相談は一気に進みます。

この記事のまとめ

  • 全館床暖房を全棟標準にしているのは実質的に一条工務店のみ。他社はオプションか全館空調で対応
  • オプション追加の初期費用は延床30坪で約100万〜250万円。多くは見積書の「提案工事費」に載る
  • 冬の電気代は温暖地・高断熱で月8,000〜15,000円が目安。断熱性能と気密で2倍以上変わる
  • 低温での連続運転がトータルで安い。オン・オフの繰り返しは逆効果
  • 熱源機は10〜15年で交換(40万〜80万円)。30年総額で比較するのが正解
  • 比較の際は延床・地域・オプション条件を文章で統一して各社に渡すこと

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