富士住建の「完全フル装備の家」。名前は聞くけれど、実際に何がどこまで標準なのかが分からない。カタログを見ても設備名が並ぶだけで、それが金額としてどれだけの価値なのかが見えない――その状態で止まっていませんか。
先に要点を書きます。完全フル装備の家とは、キッチン・浴室・洗面・トイレといった住宅設備に加え、照明・カーテン・網戸・エアコン・火災警報器まで、入居に必要なものを標準に含める仕様のことです。
他社でこれらを個別にオプション追加すると、おおむね250万〜400万円が上乗せされます。富士住建の坪単価が40万〜70万円という数字だけを見て「安い」と判断すると、実は比較の土台がずれている。逆もまた然りです。
この記事では、標準仕様の中身を設備別に分解し、価格構成と総額の目安まで具体的に整理します。
完全フル装備の家とは何か

「入居初日から住める」を標準にする発想
富士住建は埼玉県を拠点とする関東エリアのハウスメーカーです。最大の特徴が「完全フル装備の家」という商品コンセプト。
一般的な注文住宅では、建物本体の見積もりに以下は含まれません。
- 照明器具(ダウンライト以外)
- カーテン・カーテンレール
- エアコン
- 網戸
- 火災警報器
- 物干し金物・室内干し設備
これらは「付帯工事」や「施主支給」として別枠になり、あとから合計200万円前後の請求として現れます。富士住建はこれを本体に含めることで、契約時点の金額と最終総額のギャップを小さくしているわけです。
ポイント
富士住建の強みは「安さ」ではなく「総額の読みやすさ」です。明朗価格で最終着地が見えるため、資金計画が崩れにくい。逆に言えば、標準仕様を使いこなせない人(自分で選びたい人)にとっては、その価値が薄まります。
構造・性能面の仕様
設備だけでなく、躯体側の仕様も押さえておきましょう。
| 項目 | 富士住建の仕様 |
|---|---|
| 構造 | モノコック構造(ハイベストウッド面材)。木造軸組/2×4を選択可 |
| 耐震等級 | 耐震等級3が標準 |
| 制震 | FJK制震壁で揺れを最大82%低減 |
| 躯体保証 | 10年 |
| 地盤保証 | 20年 |
| 定期点検 | 初期に無料定期点検4回 |
| 坪単価 | おおむね40万〜70万円 |
耐震等級3が標準で、さらに制震壁まで含まれている点は、この価格帯では十分に評価できる構成です。設備が派手なぶん見落とされがちですが、構造性能も削られていません。
住まぽちアドバイザーの所感
富士住建さんは、設備を標準装備でまとめたコストパフォーマンス重視の関東メーカーです。明朗価格で総額が読みやすいのが最大の強み。「打合せのたびに金額が増えていく」という家づくりの典型的なストレスが起きにくい構造になっています。
完全フル装備の家の標準仕様を設備別に見る

キッチン
大手メーカー製のシステムキッチンが標準。食洗機・レンジフード・水栓まで含まれます。他社で同等グレードを選ぶと、標準品からの差額として30万〜80万円が発生することが一般的です。
浴室
1坪サイズ以上のユニットバスが標準。浴室暖房乾燥機、追い焚き機能を含む構成です。浴室乾燥機は他社では10万〜20万円のオプション扱いになりやすい設備です。
洗面・トイレ
洗面化粧台に加え、1階・2階の2箇所にトイレを設置する構成が標準。2階トイレの追加は他社で20万〜40万円かかります。
照明・カーテン
ここが「フル装備」の本領です。全室の照明器具とカーテン・カーテンレールが含まれます。30坪の家で他社に依頼すると、照明40万〜70万円、カーテン30万〜60万円。合計で70万〜130万円が浮く計算になります。
エアコン
複数台のエアコンが標準に含まれます。他社での追加費用は1台10万〜20万円。3台分なら30万〜60万円相当です。
その他の細かい装備
- 網戸(全窓分):他社で5万〜15万円
- 火災警報器:他社で3万〜8万円
- 物干し金物・室内物干し:他社で3万〜10万円
- 玄関収納・シューズボックス:他社で10万〜25万円
他社オプション換算での合計
| 設備 | 他社でのオプション費用目安 |
|---|---|
| キッチングレードアップ | 30万〜80万円 |
| 浴室(乾燥機・追い焚き含む) | 15万〜35万円 |
| 2階トイレ追加 | 20万〜40万円 |
| 照明器具一式 | 40万〜70万円 |
| カーテン・レール一式 | 30万〜60万円 |
| エアコン3台 | 30万〜60万円 |
| 網戸・警報器・物干し等 | 15万〜40万円 |
| 合計 | 約180万〜385万円 |
この差を理解せずに坪単価だけで比較すると、富士住建は「普通の価格」に見えます。実際にはこの180万〜385万円が本体価格に織り込まれているため、比較の土台が違うのです。
「フル装備込みの価格」と「他社の本体価格」を並べても比較になりません。同条件に揃えて判断したい方は、窓口ひとつで完結する住まぽちにご相談ください。
LINEで無料相談する完全フル装備の家の価格と総額の目安

坪数別の総額
| 延床面積 | 本体工事費の目安 | 土地を除く総額目安 |
|---|---|---|
| 30坪 | 約1,400万〜1,900万円 | 約2,100万〜2,600万円 |
| 33坪 | 約1,550万〜2,090万円 | 約2,280万〜2,830万円 |
| 35坪 | 約1,650万〜2,200万円 | 約2,400万〜2,980万円 |
| 40坪 | 約1,880万〜2,500万円 | 約2,700万〜3,350万円 |
本体と総額の差は約700万円。フル装備で照明・カーテン・エアコンが本体に入っているにもかかわらず差が出るのは、次の項目が残るためです。
- 地盤調査・地盤改良:0〜150万円
- 屋外給排水工事:60万〜120万円
- 外構工事:80万〜220万円
- 諸費用(登記・ローン・保険・税):150万〜250万円
注意
「フル装備だから追加費用はない」は誤解です。地盤改良・外構・諸費用は別途必要。フル装備が消しているのは「設備系の追加費用」であって、工事系・手続き系の費用ではありません。ここを混同すると、資金計画がずれます。
富士住建で建てた人の声

完全フル装備が向く人・向かない人

向いている人
- 打合せに割ける時間が限られている(共働き・遠方在住)
- 設備選びで迷いたくない、決めることを減らしたい
- 契約時点で総額を確定させたい
- 耐震等級3・制震壁を標準で確保したい
向かない人
- 照明・カーテン・キッチンを自分の好みで一から選びたい
- 設備は最低限にして、その分を構造や断熱に回したい
- 施主支給で安く仕入れるノウハウがある
- 関東エリア外で建てる(対応エリアの確認が必要)
プロとして正直に言えば、富士住建が合わないのは「こだわりの強い人」です。標準仕様の中から選ぶ形になるため、特定メーカーの特定シリーズを指名したい方には窮屈に感じられます。
逆に「決めることが多すぎて家づくりに疲れてきた」という方には、これほど噛み合う選択肢もありません。家づくりに疲れた人へ・ハウスメーカー選びのストレスを減らす方法でも触れているとおり、決定事項の多さは検討の質を落とします。
実際に「いらなかった設備」の話も含めた評価は富士住建フル装備いらないものは?総額と内訳で扱っています。お得かどうかの検証は富士住建の完全フル装備は本当にお得?建てた人の評判と本音、総合的な評判は富士住建の評判と建てた人の本音・後悔ポイントをご覧ください。
富士住建の詳細な仕様や対応エリアは富士住建の会社情報ページでも確認できます。
他社と比較するときの手順

富士住建の価格が妥当かを判断するには、次の手順で条件を揃えてください。
- 他社の見積もりに、照明・カーテン・エアコン・網戸を必ず入れてもらう
- 2階トイレの有無を揃える
- キッチン・浴室のグレードを同等にする
- 地盤改良・外構・諸費用を全社に入れる
- 耐震等級と制震装置の有無を確認する
特に①をやらないと、他社が必ず安く見えます。注文住宅の見積もり比較の正しい方法で詳しい手順を解説しています。
総額の相場観そのものを確認したい方は注文住宅の総額と坪単価の相場・費用内訳から入ると、富士住建の価格帯の位置づけが見えてきます。
よくある質問
Q. 富士住建の完全フル装備の家には何が含まれますか?
A. キッチン・浴室・洗面・トイレ(1階2階)といった住宅設備に加え、全室の照明器具、カーテン・レール、エアコン複数台、網戸、火災警報器、物干し金物などが標準に含まれます。「入居初日に必要なもの」を本体価格に織り込む考え方です。
Q. 完全フル装備の家の価格はいくらですか?
A. 30坪で本体工事費が約1,400万〜1,900万円、土地代を除く総額で約2,100万〜2,600万円が目安です。35坪なら総額約2,400万〜2,980万円。坪単価はおおむね40万〜70万円のレンジになります。
Q. フル装備なら追加費用は一切かかりませんか?
A. かかります。フル装備が消しているのは設備系の追加費用であって、地盤改良(0〜150万円)・屋外給排水(60万〜120万円)・外構(80万〜220万円)・諸費用(150万〜250万円)は別途必要です。
Q. 標準仕様のグレードは低くないですか?
A. 大手メーカー製のシステムキッチンや1坪以上のユニットバスなど、この価格帯としては充実した構成です。躯体側も耐震等級3が標準で、FJK制震壁により揺れを最大82%低減する仕様。設備・構造ともに極端な削り方はされていません。
Q. 照明やカーテンは自分で選べますか?
A. 標準仕様の中から選ぶ形になります。選択肢は限られるため、特定ブランドの照明を指名したい方には物足りない可能性があります。逆に「決めることを減らしたい」方には大きなメリットです。
Q. 他社の坪単価と比べて安いのですか?
A. 単純比較はできません。他社の坪単価には照明・カーテン・エアコンが含まれないため、これらを足して初めて同じ土俵になります。他社オプション換算で180万〜385万円相当が本体に織り込まれている点を踏まえて比較してください。
Q. 保証やアフターサービスはどうなっていますか?
A. 躯体10年・地盤20年の保証に加え、初期に無料の定期点検が4回設定されています。保証延長の条件や有償メンテナンスの内容は営業担当に書面で確認しておくと安心です。
この記事のまとめ
- 完全フル装備の家=照明・カーテン・エアコン・網戸まで本体に含める仕様
- 他社でオプション追加すると約180万〜385万円相当。坪単価だけの比較では判断できない
- 30坪の総額目安は約2,100万〜2,600万円、35坪で約2,400万〜2,980万円
- フル装備でも地盤改良・外構・諸費用は別途必要。設備系以外は消えていない
- 耐震等級3が標準、FJK制震壁で揺れを最大82%低減。躯体性能も削られていない

















