マイホーム購入を検討する際、「注文住宅と建売住宅、どっちがいいの?」は誰もが悩むテーマです。
結論から言うと、「こだわりの家に住みたい」なら注文住宅、「コスパよく早く住みたい」なら建売住宅が向いています。ただし、それぞれにメリット・デメリットがあり、家族構成・予算・ライフスタイルによって最適解は変わります。
この記事では、費用・設計自由度・入居時期・立地・品質・資産価値の6つの観点で注文住宅と建売住宅を徹底比較。あなたの家庭にピッタリの選択肢を見つけましょう。
注文住宅と建売住宅の基本的な違い
注文住宅とは
注文住宅は、自分で土地を用意し、設計プランをゼロから作って建てる家のこと。間取り・外観デザイン・素材・設備まで、自分の理想を一から形にできます。
ハウスメーカー、工務店、設計事務所のいずれかに依頼するのが一般的。完全自由設計のフルオーダーから、間取りを選ぶセミオーダー(規格住宅)まで幅広い選択肢があります。
建売住宅とは
建売住宅は、不動産会社が土地と建物をセットで販売する住宅のこと。すでに完成済み、または建築中の状態で販売されます。
「分譲住宅」とも呼ばれ、同じエリアに複数棟が同時に販売される分譲地のケースが多いです。価格が明示されており、実物を見て購入を判断できるのが特徴です。
売建住宅(建築条件付き土地)との違い
「売建住宅」は建売住宅と名前が似ていますが、土地を購入した後に指定の建築会社で建てる仕組みです。注文住宅と建売住宅の中間的な存在で、間取りの変更がある程度可能。ただし建築会社は選べません。
【6項目で徹底比較】注文住宅 vs 建売住宅
比較1:費用(価格差はどれくらい?)
| 注文住宅(土地+建物) | 建売住宅 | |
|---|---|---|
| 全国平均価格 | 約4,900万円 | 約3,700万円 |
| 首都圏平均 | 約5,800万円 | 約4,300万円 |
| 価格差 | 注文住宅のほうが約1,000〜1,500万円高い | |
| 月々の返済額の差 (35年・金利1.5%) | 約13.5万円 | 約10.2万円 |
| 価格の透明性 | 見積もり後に確定(変動あり) | 販売価格が明示(固定) |
国土交通省の調査によると、注文住宅(土地+建物)と建売住宅の全国平均価格差は約1,200万円。この差は主に、注文住宅の設計料・自由度の高い仕様・土地取得の方法の違いから生まれます。
なぜ建売住宅は安いのか?
建売住宅が安い主な理由は以下の3つです。
- 土地の一括仕入れ:大きな土地をまとめて購入し、分割して販売するためコストが下がる
- 建材の大量仕入れ:同じ仕様の住宅を複数棟建てるため、建材を安く仕入れられる
- 設計・打ち合わせコストの削減:標準プランを使うため、個別の設計打ち合わせが不要
安い=品質が低いわけではなく、スケールメリットによるコスト削減が主な理由です。
比較2:設計の自由度
| 注文住宅 | 建売住宅 | |
|---|---|---|
| 間取り | 完全自由設計 | 変更不可(基本的に) |
| 外観デザイン | 自由に決められる | 選べない |
| 設備のグレード | 自由に選べる | 標準仕様のみ |
| 収納計画 | 生活動線に合わせて最適化 | 一般的な配置 |
| 断熱・省エネ性能 | 高性能仕様を選択可能 | 標準的な性能 |
注文住宅の最大のメリットは、家族のライフスタイルに合わせた完全オーダーメイドの家が建てられること。「リビングを南向きの大開口にしたい」「書斎スペースが欲しい」「収納を多くしたい」といった細かな要望を形にできます。
建売住宅は間取り変更ができない反面、実物を見て判断できるため「思っていたのと違った」というリスクが少ないメリットがあります。
比較3:入居までの期間
| 注文住宅 | 建売住宅 | |
|---|---|---|
| 土地探し | 1〜6ヶ月 | 不要(セット販売) |
| 設計・打ち合わせ | 2〜6ヶ月 | 不要 |
| 着工〜完成 | 4〜6ヶ月 | 完成済みの場合0 |
| 契約〜入居 | 8〜18ヶ月 | 1〜2ヶ月 |
入居までのスピードは建売住宅が圧倒的に早いです。完成済みの物件なら、契約から1ヶ月程度で入居可能。注文住宅は最短でも8ヶ月、こだわるほど長くなります。
「子どもの入学に合わせたい」「転勤が決まっている」など、入居時期に制約がある場合は建売住宅が有利です。
比較4:立地条件
| 注文住宅 | 建売住宅 | |
|---|---|---|
| 立地の選択肢 | 自分で土地を探す | 販売中の物件から選ぶ |
| 好立地の入手しやすさ | 難しい(人気エリアは争奪戦) | 比較的入手しやすい |
| 土地探しの手間 | 大きい(不動産会社巡り等) | 不要 |
実は好立地ほど建売住宅のほうが有利なケースが多いです。不動産会社は独自のネットワークで好立地の土地をまとめ買いし、建売住宅として販売。個人が同じエリアの土地を探しても、すでに建売会社に購入されていることが少なくありません。
比較5:品質・性能
| 注文住宅 | 建売住宅 | |
|---|---|---|
| 断熱性能 | 高性能(ZEH・長期優良住宅対応可) | 標準的(最低基準をクリア) |
| 耐震性能 | 耐震等級3も選択可能 | 耐震等級1〜2が多い |
| 使用する建材 | 自由に選べる | コスト重視の標準品 |
| 施工過程の確認 | 自分の目で確認できる | 確認できない(完成済みの場合) |
建売住宅の品質は「業者次第」
建売住宅の品質は販売会社によって大きく異なります。大手分譲会社の建売住宅は品質管理がしっかりしていますが、安さだけが売りの業者には注意が必要。購入前にホームインスペクション(住宅診断)を利用することをおすすめします。
比較6:資産価値・リセールバリュー
| 注文住宅 | 建売住宅 | |
|---|---|---|
| 建物の資産価値 | こだわり部分は評価されにくい | 標準的な仕様で万人受け |
| 売却のしやすさ | 個性が強いと買い手を選ぶ | 需要が読みやすく売りやすい |
| 立地による価値 | 土地次第 | 好立地が多く有利 |
意外に思われるかもしれませんが、売却時に有利なのは建売住宅のケースが多いです。注文住宅のこだわり(特殊な間取り、個性的なデザイン)は中古市場で評価されにくく、むしろ標準的な間取りの建売住宅のほうが買い手が見つかりやすい傾向があります。
注文住宅のメリット・デメリットまとめ
注文住宅のメリット
- 間取り・デザイン・素材をすべて自分で決められる
- 家族のライフスタイルに最適化された家が建てられる
- 高断熱・高気密・ZEHなど高性能住宅を実現できる
- 施工過程を自分の目で確認できる安心感
- 住宅ローン減税の恩恵が大きい(長期優良住宅認定)
- 世界に一つだけのオリジナルの家が手に入る
注文住宅のデメリット
- 費用が建売より1,000〜1,500万円高くなりがち
- 入居まで8〜18ヶ月かかる
- 土地探しの手間がかかる
- 打ち合わせ回数が多く、決めることが多い
- 「予算オーバー」のリスクがある
- 完成するまで実物が見られない
建売住宅のメリット・デメリットまとめ
建売住宅のメリット
- 注文住宅より1,000〜1,500万円安い
- 土地+建物のセット価格で予算が明確
- 入居まで最短1ヶ月のスピード
- 実物を見て購入を判断できる
- 好立地の物件が多い
- 土地探しの手間が不要
- 打ち合わせ回数が少なく、決断が少ない
建売住宅のデメリット
- 間取り・デザインの変更ができない
- 施工過程を確認できない
- 標準的な仕様のため個性がない
- 断熱・省エネ性能が注文住宅より劣ることが多い
- 建売会社の品質にばらつきがある
- 周囲の家と同じデザインになりやすい
ペルソナ別:注文住宅と建売住宅の選び方
初めてのマイホーム購入で迷っている方
まずは建売住宅の完成物件を3〜5件見学することをおすすめします。実物を見ることで「こういう間取りがいい」「ここはもっとこだわりたい」という自分の基準が明確になります。その上で、建売住宅で満足できるか、注文住宅でなければ実現できないのかを判断しましょう。
共働き夫婦の場合
忙しい共働き世帯には、打ち合わせ回数が少なく決断が少ない建売住宅が効率的。注文住宅は打ち合わせに20〜30回必要なケースもあり、土日がすべて家づくりに消えることも。「どうしてもこの間取りがいい」という強いこだわりがなければ、建売住宅で時間と手間を節約するのも賢い選択です。
子育て世帯の場合
子どもの成長に合わせた間取り(リビング学習スペース、将来の部屋分割、たっぷりの収納)を実現したいなら注文住宅がおすすめ。「子どもの入学時期に間に合わせたい」場合は建売住宅のスピードが魅力です。
20代で予算が限られている方
予算が限られている20代には、建売住宅が現実的な選択肢です。月々の返済額を抑えつつマイホームを手に入れられます。将来の住み替え・売却も建売住宅のほうがスムーズ。「最初の家」として割り切り、ライフステージが変わったら注文住宅で理想の家を建てる——という2ステップも有効です。
予算3,000万円以内で建てたい方
予算3,000万円以内なら、建売住宅は土地込みで十分選択肢がある価格帯。注文住宅の場合は、地方の土地代が安いエリアか、規格住宅(セミオーダー)を活用すれば実現可能です。
土地を持っている方
すでに土地をお持ちの場合は注文住宅一択です。土地代がかからない分、建物にしっかり予算をかけてこだわりの家を建てましょう。
「注文住宅は高すぎる」と感じたら検討すべき3つの選択肢
選択肢1:規格住宅(セミオーダー)
あらかじめ用意された間取りプランから選ぶスタイルの注文住宅です。完全自由設計より10〜20%安く、打ち合わせ回数も少ないのがメリット。最近はデザイン性の高い規格住宅も増えています。
選択肢2:建築条件付き土地(売建住宅)
指定の建築会社で建てることを条件に土地を購入するスタイル。建売ほどの制約はなく、間取りの変更や設備のグレードアップが可能。注文住宅と建売住宅の中間的な選択肢です。
選択肢3:ローコスト注文住宅
坪単価30〜50万円のローコストハウスメーカーや工務店を利用する方法。建物価格1,000〜1,800万円で注文住宅を建てられます。設備や仕様はグレードダウンしますが、間取りの自由度は確保できます。
後悔しないためのチェックリスト
注文住宅を選ぶ前のチェックリスト
- 間取りやデザインに「これだけは譲れない」こだわりがあるか?
- 打ち合わせに月2〜4回、半年以上通える時間的余裕があるか?
- 予算オーバーを防ぐための「優先順位リスト」を作れるか?
- 土地探しを自分で行う覚悟(または支援してくれる業者の心当たり)があるか?
- 入居まで1年以上待てるか?
建売住宅を選ぶ前のチェックリスト
- 間取り・デザインが自分の理想と大きくズレていないか?
- 断熱性能・耐震性能は十分か?(耐震等級・省エネ等級を確認)
- 施工会社の評判は良いか?(口コミ・過去の施工実績を確認)
- ホームインスペクション(住宅診断)を受ける予定はあるか?
- 将来のリフォーム・増改築の余地はあるか?
この記事のまとめ
- 注文住宅は設計自由度・高性能住宅・施工確認が強み。費用は平均約4,900万円
- 建売住宅は価格の安さ・入居スピード・好立地が強み。費用は平均約3,700万円
- 両者の価格差は全国平均で約1,200万円
- 「こだわりの家に住みたい」なら注文住宅、「コスパよく早く住みたい」なら建売住宅
- 建売住宅は安い=品質が低いわけではなく、スケールメリットによるコスト削減が理由
- 中間的な選択肢として規格住宅・建築条件付き土地・ローコスト注文住宅もある
- 土地をすでに持っている場合は注文住宅一択
よくある質問
Q. 注文住宅と建売住宅の価格差はどれくらいですか?
A. 全国平均で約1,200万円の差があります。注文住宅(土地+建物)が約4,900万円、建売住宅が約3,700万円です。ただし、規格住宅やローコスト注文住宅を選べば、建売住宅に近い価格で注文住宅を建てることも可能です。
Q. 建売住宅は安いけど品質は大丈夫ですか?
A. 販売会社によって品質に差があるのが実情です。大手分譲会社の建売住宅は品質管理がしっかりしていますが、安さだけが売りの業者には注意が必要。購入前にホームインスペクション(住宅診断、費用5〜10万円)を利用することをおすすめします。
Q. 注文住宅は予算オーバーしやすいと聞きました。防ぐ方法は?
A. 「こだわりの優先順位リスト」を作ることが最も効果的です。「絶対に譲れないもの」「できれば欲しいもの」「なくてもいいもの」の3段階で分け、予算内に収まるように調整しましょう。また、契約前に「追加オプションの有無と費用」を必ず確認してください。
Q. 建売住宅でもリフォームはできますか?
A. 可能です。ただし、建売住宅の間取りによってはリフォームしにくい構造の場合があります。将来のリフォームを見据えるなら、購入前に「どこまでリフォームが可能か」を建築会社に確認しておきましょう。
Q. 注文住宅を安く建てる方法はありますか?
A. あります。規格住宅(セミオーダー)を活用する、地域密着の工務店に依頼する、シンプルな総2階建てにするの3つが代表的な方法です。建物価格1,500〜2,000万円で建てられる注文住宅も増えています。
Q. 将来売却するならどちらが有利ですか?
A. 立地条件による部分が最も大きいですが、同条件なら建売住宅のほうが売りやすい傾向があります。注文住宅の個性的な間取りやデザインは中古市場で評価されにくく、標準的な間取りの建売住宅のほうが買い手が見つかりやすいためです。
Q. 注文住宅と建売住宅の「いいとこどり」はできますか?
A. 建築条件付き土地(売建住宅)がそれに近いです。指定の建築会社で建てる条件で土地を購入し、間取りや仕様をある程度カスタマイズできます。注文住宅ほどの自由度はありませんが、建売住宅より自分好みの家を建てられます。













