ヤマト住建で契約したあと、「気密測定っていつやるのか」「立ち会えるのか」「結果は紙でもらえるのか」を知りたい方に向けた記事です。結論から言うと、ヤマト住建は全棟で気密測定を実施しており、断熱・気密工事が終わった段階の「中間気密測定」と、内装や設備の取り付けが終わった段階の「完成気密測定」の2回行われます。立ち会いは施主から申し出れば可能なことが多く、特に中間測定は現場で隙間をふさぐ作業を見られる貴重な機会です。ここでは工程と立ち会いの実務に絞って説明します。
この記事は気密測定という工程・立ち会いの実務を扱います。断熱性能そのものの評価や住み心地についてはヤマト住建のUA値は実測と違う?断熱の本音で扱っているので、性能評価が気になる方はそちらをご覧ください。
ヤマト住建の気密測定はどの工程で行うか
気密測定は、家に送風機を取り付けて室内の空気を強制的に排出し、生じた圧力差から隙間の総量を割り出す試験です。この値をのべ床面積で割ったものがC値(相当隙間面積・単位は㎠/㎡)で、小さいほど隙間が少ないことを意味します。
| 測定 | 実施する工程 | 目的 |
|---|---|---|
| 中間気密測定 | 断熱・気密工事の完了後、内装下地を張る前 | 隙間を見つけて、その場でふさぐため |
| 完成気密測定 | 内装工事・設備機器の取り付け完了後 | 引き渡し時点の実際の性能を確認するため |
この2回に分ける意味は大きく、中間測定は「直すための測定」、完成測定は「記録するための測定」という役割の違いがあります。中間の段階なら気密シートやコンセントボックスまわりの処理に手を入れられますが、内装が仕上がってしまうと壁を開けない限り修正ができません。
ヤマト住建の実績値
同社は2024年度に施工した住宅1,075棟の平均C値を0.29㎠/㎡と公表しており、うち177棟が0.1㎠/㎡以下を達成したとしています。社内基準はC値0.5㎠/㎡以下とされ、気密測定技能者が社内に在籍している体制です。全棟測定を制度として持っているかどうかは、高気密を謳うメーカーを比べるうえで実質的な差になる部分です。
スケジュール感としては、中間測定は上棟からおおむね1〜2か月後、完成測定は引き渡しの2週間〜1か月前あたりに設定されることが多いです。ただし工程は現場ごとに前後するため、正確な日程は現場監督に直接確認するのが確実です。
測定に立ち会うときに見るポイント
立ち会いを希望する場合は、遅くとも測定の1〜2週間前までに現場監督へ伝えておきます。当日は次の点を見ておくと、内容が理解しやすくなります。
- 測定器の設置場所:玄関や掃き出し窓に専用の枠を取り付け、送風機をセットします
- 目張りの範囲:換気システムの給排気口は目張りするのが標準です。ここが正しく処理されているか
- 測定回数:1回だけでなく、隙間処理をしながら複数回測るのが一般的です
- どこから空気が入ってきているか:手をかざすと分かります。コンセント、配管貫通部、サッシまわり、床と壁の取り合いが定番の箇所
- 処理の方法:気密テープ、発泡ウレタン、コーキングを使い分けているか
- 最終の測定値:その場で数値が表示されます
目張りの範囲は必ず確認を
気密測定では、24時間換気の給排気口を目張りして測るのが通常の方法です。しかしレンジフードや浴室換気扇など、本来目張りすべきでない開口まで過剰にふさぐと、数値は実態より良く出ます。どこを、なぜふさいだのかを当日その場で聞いてください。誠実な現場なら、明確に説明してくれます。ここで曖昧な答えが返ってくる場合は、数値の受け取り方を慎重にしたほうがいいでしょう。
立ち会い当日の持ち物と心構え
- 動きやすい服と、汚れてもいい靴(現場はまだ工事中です)
- スマートフォン(測定器の表示と、処理箇所の写真を撮る)
- 質問メモ(口頭で思いつくと忘れます)
- ヘルメットは現場で借りられることが多い
測定には1〜2時間程度かかります。ずっと張り付いている必要はありませんが、開始時と最終測定のタイミングにいると要点が押さえられます。
なお、中間測定に立ち会えると、気密以外の部分も見られるという副次的なメリットがあります。断熱材の充填状況、金物の取り付け、配線の状態など、内装で隠れてしまう箇所を写真に残せる貴重な機会です。
C値の測定結果はどう受け取るか(書面の有無)
測定当日に口頭で数値を聞けますが、必ず書面(測定報告書)でも受け取ってください。ヤマト住建は測定結果を顧客に通知する運用をしているとされますが、渡されるタイミングや形式は現場によって差が出ることがあります。
| 報告書で確認する項目 | 意味 |
|---|---|
| C値(相当隙間面積) | いちばん見られる数値。小さいほど隙間が少ない |
| 総相当隙間面積(αA) | 家全体の隙間の合計面積(㎠) |
| 実質延べ床面積 | C値の計算に使われた面積。ここが違うと数値も変わる |
| 測定日時・天候・気温 | 条件が記録されているか |
| 測定方法 | 減圧法か加圧法か |
| 測定機関・測定者名 | 誰が測ったか |
| 目張り箇所の記載 | どこをふさいで測ったか |
「実質延べ床面積」は地味に重要です
C値は隙間の合計を床面積で割って求めるため、分母となる面積の取り方が変わると数値も動きます。吹き抜けやロフト、玄関土間をどう扱ったかで印象が変わることがあるので、報告書にどの面積が使われているかを見ておくと、他社の数値と比べるときに役立ちます。
受け取った報告書は、引き渡し書類と一緒に保管しておきましょう。将来の売却時に「気密測定を実施し、C値◯◯を記録している」という証明になり、中古住宅として評価されるときの材料になります。
気密測定の有無や報告の体制は、メーカーによって考え方が大きく違います。住まぽちなら、住宅アドバイザーにLINEで気軽に相談できます。
LINEで無料相談する測定値が基準に届かなかった場合の対応
気密測定でいちばん知りたいのは、実はここではないでしょうか。「もし数字が悪かったらどうなるのか」という点です。
まず前提として、中間測定の初回で基準を下回るのは珍しいことではありません。中間測定は隙間を見つけるために行うものなので、最初の測定値が高く出て、処理を進めながら下げていくのがむしろ通常の流れです。初回の数値ではなく、処理後の最終値で判断してください。
基準に届かないときの手順
- どこから漏れているかを特定する:送風機を回した状態で手をかざす、スモークテスターを使う
- 該当箇所を処理する:気密テープ、発泡ウレタン、コーキングなど
- 再測定する:処理の効果を数値で確認
- 目標に達するまで2〜3を繰り返す
- 処理内容と再測定結果を記録に残してもらう
完成測定の段階で基準に届かなかった場合は、事情が変わります。内装が仕上がっているため、対応できる範囲が限られるからです。それでも次のような箇所は手が入ります。
- コンセント・スイッチプレート裏の気密処理
- サッシまわりのコーキングの打ち直し
- 点検口・床下収納の気密パッキンの調整
- 配管・配線の貫通部の再処理
- 玄関ドアの建て付け調整
数値が想定と違ったときに、してはいけないこと
その場で感情的に詰めても現場は動きません。代わりに、①どの箇所から漏れているという見立てか、②いつまでにどう処理するか、③再測定はするか——この3つを聞いて、書面かメールで回答をもらってください。記録に残る形にすることが、確実な対応につながります。
竣工後にもう一度測定できるか
「入居して数年経ったが、今のC値を知りたい」という要望は可能です。気密測定は建物が完成していても実施できる試験だからです。
入居後の測定を依頼する場合
- 依頼先:施工したメーカーのアフター窓口、または気密測定を請け負う第三者機関
- 費用:おおむね約3万円〜8万円が目安(地域・建物規模による)
- 所要時間:2〜3時間程度
- 事前準備:測定中は換気口を目張りするため、室内に人がいる状態での実施になります。家具はそのままで構いません
ただし注意点として、入居後の測定は新築時と同じ条件では測れません。家具の設置、エアコン配管の増設、点検口の開閉、木材の乾燥収縮といった要因が加わるため、新築時より数値がやや上がる(隙間が増える)のが一般的です。同じ数値にならなかったからといって、施工に問題があったとは限りません。
測定する意義があるのは、たとえば次のような場合です。
- 明らかな隙間風を感じ、原因を特定したい
- 増改築やエアコンの増設をした前後で変化を確認したい
- 売却時に現状の性能を示したい
気密測定の結果を他社と比べるときの注意
C値は分かりやすい数字なので、そのまま比較したくなります。しかしC値は測り方の条件で動くため、数字だけを並べても正しい比較にならないことがあります。比べるときは次の点を揃えてください。
| 確認する条件 | なぜ重要か |
|---|---|
| 全棟測定か、モデルハウスの値か | 1棟の好条件な値と、全棟平均はまったく意味が違う |
| 中間測定か、完成測定か | 中間のほうが良い値が出やすい |
| 平均値か、最高値か | 「C値0.1」が最高記録なのか平均なのかで意味が逆転する |
| 目張りの範囲 | 過剰に目張りすれば数値は良くなる |
| 建物の形状・規模 | 総二階のシンプルな形は良い値が出やすい。凹凸の多い家や平屋は不利 |
| 実質延べ床面積の取り方 | 分母が変われば数値も変わる |
「C値◯以下を保証」と「全棟測定して結果を開示」は別のこと
数値を約束していても測定していなければ確認できませんし、逆に測定していても結果を渡さない会社もあります。比較すべきは数値そのものより、「全棟で測るか」「施主に書面で渡すか」「基準未達のとき何をするか」という運用です。ヤマト住建のように全棟測定と実績公表を制度として持っている会社は、この点で確認しやすいと言えます。
他社比較で聞くとよい質問(そのまま使えます)
- 気密測定は全棟で実施していますか。それとも希望者のみですか
- 測定は中間・完成のどちらですか。両方ですか
- 費用は本体価格に含まれますか、別途ですか
- 結果は書面でもらえますか
- 社内の基準値はいくつですか。届かなかった場合はどうしますか
- 直近の平均C値はいくつですか(平均か最高か明示してもらう)
この6つを各社に同じ質問として投げると、回答の具体性そのものが判断材料になります。数値を語らずに「高気密です」とだけ答える会社と、測定体制まで説明できる会社では、差がはっきり出ます。
よくある質問
Q. ヤマト住建の気密測定は何回行われますか?
A. 断熱・気密工事の完了後に行う「中間気密測定」と、内装・設備の取り付け完了後に行う「完成気密測定」の2回が基本です。中間は隙間を見つけて直すため、完成は引き渡し時点の性能を記録するために行います。
Q. 測定に立ち会えますか?
A. 施主から申し出れば立ち会えることが多いです。遅くとも1〜2週間前までに現場監督へ伝えてください。特に中間測定は、隙間を探して処理していく作業を見られるうえ、内装で隠れる部分も確認できるので価値があります。
Q. 気密測定は別料金ですか?
A. 全棟実施を制度として持っている会社では、標準の工程として本体価格に含まれているのが一般的です。ただし契約内容によるため、見積書か仕様書で「気密測定」の項目がどう扱われているか確認してください。
Q. C値の結果は紙でもらえますか?
A. 測定報告書として受け取れます。口頭で聞いただけで終わらせず、測定の場で「書面もお願いします」と伝えておくとスムーズです。C値だけでなく、総相当隙間面積、実質延べ床面積、測定日時、目張り箇所まで記載されているものを保管しておきましょう。
Q. 中間測定で数値が悪かったら不安になりますか?
A. 中間測定の初回で高い値が出るのは通常のことです。隙間を見つけて処理するための測定なので、処理を繰り返して下げていきます。判断すべきは初回の値ではなく、処理後の最終値です。
Q. 入居後にもう一度測定できますか?
A. 可能です。費用はおおむね約3万円〜8万円、所要時間は2〜3時間程度が目安です。ただし家具の設置や木材の収縮の影響で、新築時より数値がやや上がるのが一般的なので、その前提で比べてください。
Q. 他社のC値と単純に比べていいですか?
A. 条件を揃えないと比較になりません。全棟平均かモデルハウス1棟の値か、中間か完成か、平均か最高記録か、目張りの範囲はどうか。この4点を確認したうえで並べてください。数値より「全棟で測って書面で渡す運用があるか」のほうが実質的な差になります。
この記事のまとめ
- ヤマト住建は全棟で気密測定を実施し、中間と完成の2回行う
- 中間は「直すための測定」、完成は「記録するための測定」と役割が違う
- 立ち会いは1〜2週間前までに現場監督へ申し出る。中間測定が特に見応えがある
- 当日は目張りの範囲と処理箇所を確認し、写真に残す
- 結果は必ず測定報告書として書面で受け取り、引き渡し書類と一緒に保管する
- 中間の初回で数値が悪いのは通常。最終値と、処理内容の記録で判断する
- 他社比較は数値だけでなく、全棟測定か・書面交付があるかという運用で見る
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