展示場で見た家がそのまま標準仕様だと思っていたら、見積もりの半分がオプションだった——注文住宅でいちばん多い誤算がこれです。ヤマダホームズを検討するとき、まず知りたいのは「どこまでが標準で、どこから追加費用になるのか」でしょう。
結論を先に言うと、ヤマダホームズの標準仕様は、構造材(檜集成材の柱・土台)と断熱樹脂サッシという「後から変えられない部分」に公表された強みがあり、一方でキッチンや浴室などの設備グレードは商品と時期によって変わるため、一律に「これが標準」と断定できません。この記事では、公式に公表されている内容と、確認が必要な部分を明確に分けて整理します。
ヤマダホームズの標準仕様一覧
まず全体像です。ヤマダホームズの公式サイトで確認できる仕様を、カテゴリごとに整理しました。
| カテゴリ | 公表されている標準仕様 |
|---|---|
| 構造 | 木造軸組(在来)工法 |
| 柱・土台 | 檜(ひのき)集成材。メーターモジュールの建物で4寸角を標準採用 |
| 構造躯体 | エンジニアリングウッド(構造用集成材)、含水率15%以下に乾燥、JAS基準合格品 |
| 基礎 | ベタ基礎。立ち上がりは直径13mmの異形鉄筋、ベース部分は200mm間隔で格子状配筋 |
| 床下 | 鋼製束(1本あたり耐荷重2t以上、防錆加工) |
| サッシ | 断熱樹脂サッシ(一部モデルを除く) |
| ガラス | Low-E複層ガラス。単板ガラスの約4倍の断熱性能 |
| 外装下地 | 通気層構法における遮熱シート(透湿・防水性能あり) |
| 気密 | 気密施工が標準 |
ここが読みどころ
上の表に並ぶのは、ほとんどが入居後に変更できない部分です。キッチンのグレードは10年後にリフォームできますが、柱の太さや基礎の配筋、サッシの素材は事実上やり直しがききません。標準仕様を評価するときは、変えられない部分に何が入っているかを先に見るのが合理的です。
ヤマダホームズは1951年創業、在来工法を主力としてきたメーカーで、住まぽちのデータでは坪単価の目安は55万〜100万円、耐震等級は3。価格帯としてはミドルコスト帯に位置します。この価格帯で構造材に檜集成材を標準採用しているのは、特徴として挙げてよい点です。
キッチン・浴室・洗面の標準グレード
最初にはっきりさせておきます。キッチン・浴室・洗面の具体的なメーカー名と型番は、ヤマダホームズの公式サイトで一律には公表されていません。これは隠しているというより、商品ラインナップと販売時期、施工エリアによって選定が変わるためです。
公表されている範囲で言えるのは、システムキッチン・ユニットバス・洗面化粧台が標準で含まれるということ、そして商品グレードによって設備のグレードにも差があるということです。上位グレードのほうが、食洗機や浴室換気暖房乾燥機といった装備が標準に含まれる範囲が広くなる傾向があります。
ネット上には「キッチンは◯◯社の△△グレードが標準」と具体的に書いた記事が複数あります。ただし設備の標準仕様はモデルチェンジのたびに更新されます。数年前の情報が現在も有効とは限りません。設備については、必ず自分が検討している商品・時期の仕様書で確認してください。
ショールームや展示場で確認するときに、聞くべき質問を挙げておきます。
設備の標準仕様を確認する質問
- 「この商品の標準仕様書をいただけますか」(口頭説明ではなく書面で)
- 「展示場に入っているキッチンは標準ですか、オプションですか」
- 「標準で選べるメーカーは何社ありますか」(選択肢の幅を確認)
- 「食洗機・浴室暖房乾燥機は標準に含まれますか」
- 「標準のグレードから1つ上げると、いくら差額が出ますか」
最後の質問が効きます。差額を先に知っておけば、打ち合わせの終盤で予算が膨らむ展開を避けられます。
断熱材・サッシの標準仕様
断熱については、公表されている情報とされていない情報がはっきり分かれます。
公表されているのは開口部(窓)です。ヤマダホームズは一部モデルを除き、断熱樹脂サッシを採用しています。樹脂はアルミに比べて熱を伝えにくく、公式サイトでは熱伝導率がアルミの1000分の1と説明されています。ガラスはLow-E金属膜をコーティングした複層ガラスで、間にアルゴンガスを封入。単板ガラスの約4倍の断熱性能とされ、次世代省エネルギー基準に適合するとしています。
窓の仕様は、断熱性能を左右する要素として非常に大きい部分です。住宅から逃げる熱の多くは開口部を通るため、樹脂サッシ+Low-E複層ガラスが標準というのは、この価格帯では評価できるポイントです。オプション扱いのメーカーもある中で、標準に入っているかどうかは総額に効いてきます。
一方、断熱材の種類とUA値・断熱等級は、公式サイトの該当ページでは明示されていません。グラスウールか吹付ウレタンかといった仕様、そして「UA値いくつを標準とするか」は、商品と地域区分(省エネ基準の区分)によって変わるため、一律の公表がされていないものと考えられます。
断熱性能を比較したい方は、必ず「自分の建築地の地域区分で、この商品のUA値はいくつになるか」を数値で聞いてください。「高断熱です」「等級は取れます」といった言葉の説明では、他社と比較できません。数値が出てこない場合は、その場で決めずに持ち帰るのが賢明です。
あわせて確認したいのが、断熱等級です。2022年以降、断熱等性能等級は最高が等級7まで拡張されました。「等級5(ZEH水準)が標準か、それともオプションか」で、光熱費も補助金の適用可否も変わります。ここは商品選びの分岐点になる部分です。
檜の柱・土台は標準か
結論から言えば、標準です。ただし条件があります。
ヤマダホームズは公式サイトで「良質な檜集成材を柱・土台に標準仕様で採用」と明記しています。寸法についてはメーターモジュールの建物で4寸角(約12cm角)を標準採用としており、建築基準法で定められる3.5寸角と比べて断面積が約1.3倍になることで、強度と耐火性が高まると説明されています。
檜の柱・土台のポイント
- 樹種:檜(ひのき)の集成材。無垢材ではない点に注意
- 寸法:メーターモジュールの建物で4寸角が標準
- 檜は防虫・耐水の面で評価が高い樹種で、土台に使われることが多い
- 集成材は含水率15%以下に乾燥され、JAS基準に合格したものを使用
「集成材」と聞くと無垢材より劣ると感じる方がいますが、必ずしもそうではありません。集成材は乾燥された板を接着して作るため、反りや割れ、寸法の狂いが出にくく、強度のばらつきが小さいという利点があります。無垢材には質感や調湿という別の良さがあり、どちらが優れているというより性質の違いです。
ここで必ず確認してほしいのがモジュールです。4寸角の標準採用はメーターモジュールの建物についての説明です。尺モジュールで計画する場合に柱の寸法がどうなるかは、自分のプランで担当者に確認してください。メーターモジュールは廊下や階段が広く取れる一方、同じ部屋数でも面積が大きくなり総額に影響します。柱の太さだけでモジュールを決めるのは早計です。
「この見積もりの標準仕様は他社と比べてどうか」「どこがオプションで膨らんでいるのか」——仕様書を見ながら、第三者の視点で確認できます。
LINEで無料相談する商品による標準仕様の違い
ヤマダホームズは複数の商品を展開しており、標準仕様は商品ごとに異なります。同じ社名でも、選ぶ商品によって含まれるものが変わるという点は、必ず押さえてください。
大まかな傾向として、次のような構造になっています。
| 商品タイプ | 標準仕様の傾向 |
|---|---|
| 上位グレードの自由設計 | 設備・内装のグレードが高く、選べる範囲も広い。標準に含まれる装備が多い |
| 中位の自由設計 | コストと仕様のバランス型。上位と比べると設備グレードは抑えられる |
| 装備パッケージ型 | 設備をまとめて含む構成で、総額が読みやすい代わりに選択の自由度は下がる |
注意すべきは、「保証年数も商品によって変わる」ことです。ヤマダホームズの公式サイトでは、構造・防水・防蟻の初期保証について、標準商品は10年、RASIOなど一部商品は20年という区分が示されています。設備のグレードだけでなく、保証条件まで含めて比較する必要があります。
商品を比較するときの3軸
①後から変えられない部分(構造・断熱・サッシ)②入居後に変えられる部分(設備・内装)③保証年数と維持費。①と③を優先し、②は予算調整の余地として扱うのが、後悔の少ない考え方です。
各商品の価格帯や位置づけの違いはヤマダホームズの商品ラインナップと価格帯一覧で詳しく整理していますので、どの商品を軸に検討するか決めるときに参照してください。
オプションになりやすい設備
どのメーカーでも、標準に入りにくい設備には共通の傾向があります。ヤマダホームズを検討する場合も、次の項目は「標準に入っているか」を個別に確認する価値があります。
オプションになりやすい代表例
- 床暖房、全館空調などの冷暖房設備
- 太陽光発電・蓄電池
- 玄関の電子錠、宅配ボックス
- 造作収納、可動棚、ニッチなどの造作工事
- タイル外壁など、外装のグレードアップ
- 網戸・カーテンレール・照明器具(含まれる範囲が分かれやすい)
- エアコン本体と設置工事
- 外構工事(駐車場・門柱・フェンス・植栽)
特に見落としが多いのが、リストの下3つです。照明・カーテン・エアコン・外構は、合計すると200万円〜400万円規模になることがあり、建物本体の見積もりだけを見ていると、後から資金計画が狂います。
見積書を受け取ったら、「この金額に含まれていないものを全部教えてください」と聞いてください。含まれているものを確認するより、含まれていないものを聞くほうが、抜け漏れを発見しやすくなります。地盤改良費や屋外給排水工事が別枠になっているケースもあります。
なお、ヤマダホームズはヤマダ電機グループという特性上、家電に関する独自の仕組みがあります。これは標準仕様とは別枠の話なので、詳細はヤマダホームズの家電割引はいくら?特典の全内容を参照してください。総額の考え方についてはヤマダホームズの坪単価は?30坪・35坪の総額と家電割引の実態が参考になります。
この記事のまとめ
- 公表されている標準仕様の柱は檜集成材の柱・土台(メーターモジュールで4寸角)と断熱樹脂サッシ+Low-E複層ガラス
- 基礎はベタ基礎、構造材は含水率15%以下・JAS基準合格のエンジニアリングウッド
- キッチン・浴室・洗面の具体的なメーカー・型番は一律公表されていない。商品と時期で変わるため仕様書で確認する
- 断熱材の種類とUA値・断熱等級も公式には明示されていない。建築地の地域区分での数値を必ず聞く
- 標準仕様も初期保証年数も商品によって異なる(初期保証10年/一部商品20年)
- 照明・カーテン・エアコン・外構は標準の外側になりやすく、合計で数百万円規模になり得る
よくある質問
Q. 檜の柱・土台は本当に標準ですか?
A. 公式サイトに「良質な檜集成材を柱・土台に標準仕様で採用」と明記されています。寸法はメーターモジュールの建物で4寸角を標準としており、建築基準法の3.5寸角に対して断面積が約1.3倍になると説明されています。尺モジュールで計画する場合の寸法は、自分のプランで担当者に確認してください。
Q. 檜の集成材と無垢材では、どちらが良いのですか?
A. 優劣ではなく性質の違いです。集成材は乾燥した板を接着するため、反りや割れが出にくく強度のばらつきが小さいという利点があります。無垢材は質感や調湿性に良さがあります。構造の安定性を重視するなら集成材は合理的な選択です。
Q. 断熱材は何が使われますか?UA値はいくつですか?
A. 断熱材の種類とUA値は公式サイトで明示されていません。商品と建築地の地域区分によって変わるためと考えられます。比較検討する際は「私の建築地の地域区分で、この商品のUA値はいくつですか」と数値で確認してください。言葉での説明だけでは他社と比較できません。
Q. 樹脂サッシは全商品で標準ですか?
A. 公式サイトでは「一部のモデルを除き」断熱樹脂サッシを採用と説明されています。全商品で一律ではないため、検討している商品が対象かどうかを確認してください。窓は断熱性能への影響が大きく、後から変更しにくい部分です。
Q. 標準仕様のグレードを上げると、どのくらい費用が変わりますか?
A. 選ぶ設備と幅によって大きく変わるため、一律の目安は示せません。実務的には、打ち合わせの早い段階で「標準から1つ上げると差額はいくらか」を主要な設備ごとに聞いておくのが有効です。終盤に積み上がってから調整するより、はるかに楽になります。
Q. 展示場に入っている設備は標準ですか?
A. 展示場は上位グレードやオプションを多く含んだ仕様であることが一般的です。気に入った設備を見つけたら、その場で「これは標準ですか、オプションですか」と確認する習慣をつけてください。写真を撮って品番を控えておくと、後の打ち合わせで話が早くなります。
Q. 標準仕様書はもらえますか?
A. 依頼すれば商品ごとの仕様書を提示してもらえるのが通常です。口頭やカタログの抜粋ではなく、書面で受け取ってください。契約後に「標準だと思っていた」という認識のズレを防ぐ、最も確実な方法です。


















