「ウィザースホームは50年サポートと聞いたけれど、実際どこまでが無償なのか」——契約前や引き渡し後にこの疑問にぶつかる方は少なくありません。結論から言うと、初期保証は構造躯体20年・防水10年が基本で、そこから先は10年ごとの有償メンテナンスを受けることで最長30年まで保証が延び、その後の20年はサポート(点検・相談)という位置づけです。「50年ずっと無償で守られる」という制度ではありません。ここを正しく理解しておくと、後々の判断を誤らずに済みます。
この記事は保証制度とアフター体制に絞って解説します。坪単価や総額、見積もりの内訳についてはウィザースホームの坪単価は?30坪・35坪の総額と安い理由で詳しく扱っているので、価格が知りたい方はそちらをご覧ください。
ウィザースホームの初期保証と延長条件
保証を読むときは、必ず「構造」「防水」「設備」を分けて考えます。この3つは年数も条件もまったく別だからです。
| 保証の種類 | 初期保証の目安 | 延長の考え方 |
|---|---|---|
| 構造躯体 | 20年 | 有償メンテナンスを条件に最長30年 |
| 防水(雨漏り) | 10年 | 10年目の有償工事で20年、20年目の工事で30年 |
| 住宅設備 | メーカー保証1〜2年が基本 | 延長保証サービスの加入で最長10年程度 |
| シロアリ | 5年前後(防蟻処理の保証期間) | 5年ごとの再処理で更新 |
| 地盤 | 10年(地盤保証会社による) | 更新制度がある場合あり |
延長のしくみは「10年目の有償工事 → 20年目まで延長」「20年目の有償工事 → 30年目まで延長」という2段階です。つまり10年目の工事を受けなかった時点で、そこから先の延長ルートは閉じます。1回スキップすると復活できないという点が、この制度でいちばん重要なところです。
「50年保証」という表現の読み方
ウィザースホームが打ち出している長期サポートは、有償メンテナンスを前提とした30年保証+20年サポートを合わせた総称です。31年目以降は「保証」ではなく点検・相談を中心とした「サポート」であり、無償で直してもらえる期間とは別物です。パンフレットの数字だけで判断せず、保証書の本文で年数と条件を確認してください。
定期点検のスケジュールと内容
点検は引き渡し直後から段階的に組まれています。おおむね次のような流れです。
| 時期 | 主な内容 |
|---|---|
| 引き渡し後1か月前後 | 建具の調整、初期不良の確認、使い方の再説明 |
| 3か月〜6か月 | 木部の収縮によるきしみ・隙間の調整 |
| 1年目 | クロスのひび、建具、水回りの確認 |
| 2年目 | 初期保証(施工上の不具合)の区切りとなる重要な点検 |
| 5年目 | 外部(外壁・シーリング・タイル目地)の状態確認 |
| 10年目 | 防水の再判定、延長メンテナンスの提案 |
| 以降10年ごと | 20年目・30年目に延長の可否判断 |
点検そのものは無償ですが、点検で見つかった修繕や部品交換は原則として有償です。ここを混同すると「点検なのにお金を請求された」という不満につながります。点検は診断であって、治療ではないと考えてください。
2年目点検はいちばん取りこぼしが多い
クロスのひび、建具の建て付け、フローリングのきしみといった施工上の不具合は、2年目までに申し出るかどうかで扱いが変わることが多い項目です。気になっていることは小さくても全部リストにして、点検当日に渡す。これが最も効果的な使い方です。口頭で伝えるだけだと記録に残らず、次の点検で「そんな話は聞いていない」となりがちです。
点検の案内は通常ハガキやメールで届きますが、届かないまま時期が過ぎてしまうケースもあります。引き渡し時に点検スケジュールの一覧をもらい、カレンダーに登録しておくと確実です。
延長保証に必要な有償メンテナンスの費用
10年目・20年目に受ける有償メンテナンスは、主に防水まわりの再施工が中心です。具体的には、屋根やバルコニーの防水、外壁のシーリング(目地)の打ち替え、タイル部の点検補修などが対象になります。
| 工事項目 | 費用の目安(30〜35坪想定) |
|---|---|
| シーリング打ち替え | 約20万円〜50万円 |
| バルコニー・屋根の防水再施工 | 約15万円〜40万円 |
| タイル目地・部分補修 | 約5万円〜20万円 |
| 足場設置(工事に伴う) | 約15万円〜25万円 |
| 10年目メンテナンス合計 | おおむね約50万円〜120万円 |
金額に幅があるのは、建物の形状(総2階かどうか、バルコニーの数)、劣化の進み具合、足場の要否で変わるためです。ウィザースホームはタイル外壁を採用しているケースが多く、塗り壁やサイディングに比べて外壁の塗り替えが不要なぶん、この時期の費用は抑えられる傾向があります。ただしタイルであってもシーリングと防水は劣化するので、ゼロにはなりません。
見積もりを受け取ったら確認したいこと
- この工事のうち、どれが「延長保証の条件」でどれが「任意の提案」か
- 足場代が計上されているか(他の工事と同時にやれば1回で済む)
- 工事後に延長される保証の年数と対象範囲
- 相見積もりを取った場合、延長保証がどうなるか
他社に安く頼むと保証が切れることがあります
延長保証は「メーカー指定の内容で工事を受けること」が条件になっているのが通常です。地元の塗装業者に安く頼んで工事だけ済ませても、保証の延長は認められないケースがほとんどです。価格差と、延長される保証の価値を並べて判断してください。築10年で、この先ずっと住み続けるなら延長する意味は大きく、10年以内に手放す予定なら考え方が変わります。
保証やアフターの条件は各社で大きく異なり、契約前に比べておくと後悔が減ります。住まぽちなら、住宅アドバイザーにLINEで気軽に相談できます。
LINEで無料相談する設備保証の範囲(住宅設備・シロアリ・地盤)
構造や防水と違い、この3つはそれぞれ別の主体が保証しているのが特徴です。窓口も年数も別なので、まとめて考えないほうが正確に把握できます。
住宅設備
キッチン、給湯器、浴室、トイレ、食洗機などは、設備メーカーの保証(一般に1〜2年)が基本です。これに加えて、有償の設備延長保証サービスに加入すると最長10年程度まで延ばせる仕組みが用意されていることがあります。給湯器は10〜15年で交換時期が来るため、この延長が効くかどうかで実感が変わりやすい部分です。加入は引き渡し前後に限られるのが通常なので、迷っている段階で期限を確認しておきましょう。
シロアリ
防蟻処理の保証は5年程度が一般的で、5年ごとに再処理を受けることで更新されます。再処理の費用は建物規模にもよりますが、おおむね約10万円〜20万円が目安です。ここを更新していないと、万一シロアリ被害が出たときに構造躯体の保証でも争点になり得ます。地味ですが、長期保証を維持するうえで見落とせない項目です。
地盤
地盤沈下に対する保証は、ハウスメーカーではなく地盤保証会社が引き受けているのが一般的で、期間は10年、補償額に上限が設定されています。保証書がメーカーの保証書とは別に発行されているはずなので、引き渡し書類の中から探して保管しておいてください。
保証書は「1冊」ではありません
構造・防水(メーカー)、住宅瑕疵担保責任保険(保険法人)、地盤(地盤保証会社)、設備(各メーカー)、シロアリ(施工会社)と、発行元が分かれています。引き渡し時に受け取った書類をまとめてファイル1冊にしておくと、10年後に探す手間がなくなります。
アフター窓口の対応体制と連絡方法
ウィザースホームは新昭和グループの住宅ブランドで、関東を中心に直営とフランチャイズ(加盟店)の両方で展開しています。この違いが、アフターの実感に最も影響します。
| 体制 | アフターの特徴 |
|---|---|
| 直営エリア | 本体のアフター部門が対応。窓口が統一されている |
| フランチャイズ加盟店 | 施工した加盟店が一次対応。対応品質・スピードに差が出やすい |
契約前に必ず聞いておきたい質問
「この地域は直営ですか、加盟店ですか」「アフターの一次窓口はどこですか」「万一、施工した会社が事業を続けられなくなった場合、保証はどうなりますか」。この3つは、契約前なら誰でも聞けます。最後の質問への答えが曖昧な場合は、住宅瑕疵担保責任保険の付保証明書がどう扱われるかまで確認してください。
連絡方法としては、専用のオーナー向け窓口(電話・Web)が用意されているのが一般的です。実務的なコツとしては次のとおりです。
- 症状は写真で送る:文章だけより判断が早く、記録にも残ります
- 発生日時と状況を書く:「雨のときだけ」「朝方だけ」といった条件が原因の絞り込みに直結します
- 電話で話した内容は、メールで要約を送っておく:担当者が変わったときに効きます
- 緊急(水漏れ・停電・鍵)とそれ以外を分けて伝える:優先順位がつきやすくなります
保証を引き継げるケース(売却・相続)
「途中で家を手放したら保証はどうなるのか」は、意外と多い疑問です。整理すると次のようになります。
| 状況 | 保証の扱い |
|---|---|
| 相続(所有者が変わるだけ) | 引き継げるのが一般的。名義変更の届け出が必要 |
| 第三者への売却 | メーカーへの届け出・所定の手続きで引き継げる場合が多い |
| 大規模なリフォームを他社で実施 | 該当部位の保証が対象外になることがある |
| 点検・有償メンテナンスの未実施 | 延長が受けられず、その時点で保証が終了 |
売却時のポイントは、保証が残っていること自体が売り物になるという点です。築10年前後の中古住宅で「構造躯体の保証があと10年残っている」「10年目のメンテナンス済み」という状態は、購入検討者にとって明確な安心材料になります。売却を視野に入れているなら、点検記録と工事の領収書・保証書をひとまとめにして保管しておくと、そのまま説明資料になります。
引き継ぎで実際にやること
- 売買(または相続)が決まったら、アフター窓口に連絡して手続き方法を確認する
- 所有者変更の届け出を提出する(期限が設けられていることがある)
- 保証書・点検記録・メンテナンス履歴を新所有者に引き渡す
- 次回の点検・延長メンテナンスの時期を新所有者に伝える
手続きを忘れたまま所有者だけ変わると、いざというときに「保証の対象者ではない」と判断される可能性があります。
よくある質問
Q. ウィザースホームの保証は本当に50年ですか?
A. 無償で守られる期間としては違います。初期保証は構造躯体20年・防水10年で、10年ごとの有償メンテナンスを受けることで最長30年まで延長できます。31年目以降の20年は点検・相談を中心とした「サポート」であり、保証とは区別されています。
Q. 定期点検は無料ですか?
A. 点検自体は無償です。ただし点検で見つかった修繕や部品交換は、保証対象でない限り有償になります。点検は診断で、修繕は別、と考えてください。
Q. 10年目の有償メンテナンスはいくらくらいかかりますか?
A. 建物の形状や劣化状況によりますが、シーリング打ち替え・防水再施工・足場代を含めておおむね約50万円〜120万円が目安です。タイル外壁の場合、塗り替えが不要なぶん抑えられる傾向があります。
Q. 10年目のメンテナンスを他社に頼んでもいいですか?
A. 工事自体は可能ですが、その場合は延長保証が受けられないのが通常です。安く済ませた金額差と、延長される保証の年数を比べて判断してください。長く住み続ける予定なら、指定の工事を受けるほうが結果的に有利になることが多いです。
Q. 給湯器やキッチンが壊れたら保証されますか?
A. 住宅設備は設備メーカーの保証(1〜2年)が基本で、建物の長期保証とは別枠です。有償の設備延長保証に加入していれば最長10年程度までカバーできる場合があります。加入時期が引き渡し前後に限られることが多いので、早めに確認してください。
Q. 施工したのが加盟店でしたが、その会社がなくなったら保証はどうなりますか?
A. 住宅瑕疵担保責任保険は保険法人が引き受けているため、10年の構造・防水についてはこの保険で対応できる仕組みがあります。それを超える独自の長期保証の扱いは契約内容によるため、契約前に必ず書面で確認してください。
Q. 家を売る場合、保証は買主に引き継げますか?
A. 所定の手続きを取れば引き継げるのが一般的です。所有者変更の届け出に期限が設けられていることがあるため、売買が決まった段階でアフター窓口に連絡してください。保証が残っている状態は、中古住宅として売り出す際の強みにもなります。
この記事のまとめ
- 初期保証は構造躯体20年・防水10年。30年までは有償メンテナンスが条件
- 「50年」は30年保証+20年サポートの総称。全期間が無償保証ではない
- 10年目のメンテナンスを1回スキップすると、その先の延長ルートは閉じる
- 点検は無償だが、修繕は原則有償。2年目点検までに気になる点を出し切る
- 設備・シロアリ・地盤は保証の主体も年数も別。保証書は発行元ごとに保管
- 直営か加盟店かでアフターの実感が変わるため、契約前に体制を確認する
- 売却・相続時は届け出をすれば引き継げる。点検記録は資産価値になる
他社の保証・点検事情と並べて見ると、条件の良し悪しが判断しやすくなります。ウィザースホームの10年点検・メンテナンス費用は?タイル補修と保証延長の条件やタマホームの10年保証が切れた後どうなる?点検の修繕費用と延長の条件もあわせてご覧ください。維持費全体を見通したい方は注文住宅の維持費は年間いくら?修繕費・税金・保険の内訳が参考になります。

















