住友林業の打ち合わせが進むと、必ず突き当たるのが「木をどこまで本物にするか」という選択です。床材だけでも約50種類の樹種と、無垢・挽板・突板・シートという4つの仕様があり、そこに造作家具や木質天井が加わります。結論から言うと、住友林業で満足度が高いのは「触れる場所に本物の木、触れない場所は突板で整える」というメリハリの付け方です。全面無垢にすると手入れと予算の負担が跳ね上がり、逆に全面シートにすると住友林業を選んだ意味が薄れます。
ここでは、住友林業で選べる木質建材の種類と、無垢と突板の違い、樹種ごとの傷つきやすさ、造作家具の頼み方、そして入居後の木部の手入れまでを、内装を決める順番に沿って整理します。
住友林業で選べる木質建材の種類
住友林業の内装は、大きく床材・建具や枠などの内装化粧材・造作家具・天井や壁の木質パネル(格子・ルーバー含む)の4カテゴリーで構成されています。木材建材の商社としての顔を持つ会社なので、選択肢の幅は他社と比べても広い部類です。
木質建材の4カテゴリー
- 床材:無垢/挽板/突板/シートフローリング。樹種はオーク、チーク、ブラックチェリー、ウォールナット、メープル、ハードメープル、アッシュなど多数
- 内装化粧材(建具・枠・巾木):床材と樹種・色味をそろえられるシリーズが用意されている
- 造作家具:TVボード、カウンター、洗面台、本棚、玄関ベンチなど。既製の組み合わせ型と完全オーダーの2系統
- 木質天井・木質壁・格子:リビング天井の張り分け、階段まわりの縦格子、玄関の格子スクリーンなど
ここで重要なのは、この4つは「バラバラに選べるが、そろえた方が破綻しない」という点です。住友林業の内装が写真映えするのは、床・建具・造作家具の樹種と色味が一本の線でつながっているからで、床だけこだわって建具を標準色のままにすると、木の家というより「木目調の家」に見えてしまうことがあります。
打ち合わせでは、まず床材の樹種を1つ決める→次に建具・枠をその樹種に寄せるか、あえて白で抜くかを決める→最後に造作家具と天井、という順番が迷いにくい流れです。順番を逆にすると、後から床を変えたときに全部やり直しになります。
無垢材・挽板・突板の違い(見た目・手入れ・価格)
住友林業の床材選びで最初に理解しておきたいのが、無垢・挽板・突板・シートという「構造の違い」です。樹種の違いより、こちらの方が住み心地に直結します。
| 種類 | 構造 | 質感 | 傷・水への強さ | 手入れ | 価格の傾向 |
|---|---|---|---|---|---|
| 無垢材 | 丸太から切り出した一枚もの | 最も良い。経年で色が深まる | 傷はつきやすい。水濡れ放置で染みやすい | 季節で伸縮。定期的なワックス・オイルが望ましい | 最も高い |
| 挽板(ひきいた) | 天然木を2〜3mmに挽いて合板に貼る | 無垢に近い。削れても木目が続く | 無垢より安定。伸縮が少ない | 無垢より楽 | 高め |
| 突板(つきいた) | 天然木を0.2〜0.3mmにスライスして合板に貼る | 本物の木目だが厚みの表情は控えめ | 表面加工により傷・水・汚れに強い | 日常は乾拭き・固く絞った雑巾で足りる | 標準〜やや上 |
| シート | 木目を印刷したシートを貼る | 均質。個体差がない | 最も強い | ほぼ不要 | 最も抑えられる |
突板は「偽物」ではありません。表面は紛れもなく天然木で、木目も一枚ごとに違います。違うのは厚みで、削れるほどの深い傷が入ると下の合板が見えてしまう点が弱点です。逆に無垢は削って直せますが、そもそも傷がつきやすい。どちらが上という話ではなく、「傷を味と捉えられるか」「手入れの時間を取れるか」の性格診断に近い選択です。
無垢を選ぶ前に確認したいこと
- 冬に隙間が空き、夏に詰まる。これは不具合ではなく木の性質です
- ペットの爪跡・子どもの椅子の跡は確実に残ります
- 水はねの多い洗面・キッチン足元は、無垢だと染みの原因になりやすい
- 床暖房を入れる場合、樹種によっては対応品が限られます
床材の樹種による印象と傷つきやすさ
構造を決めたら、次は樹種です。住友林業のオーナーで最も選ばれているのはオークで、全体の4割前後を占めると言われます。虎斑(とらふ)と呼ばれる独特の柄が入り、比較的硬いため反りにくく手入れもしやすい、というバランスの良さが理由です。
| 樹種 | 色味・印象 | 硬さの目安 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| オーク(ナラ) | 明るめの茶。虎斑の柄が特徴 | 硬め | 迷ったらこれ。北欧系にもモダンにも合う |
| ハードメープル | 白〜クリーム色。すっきり明るい | 非常に硬い | 部屋を広く明るく見せたいとき |
| ブラックチェリー | 入居時は淡く、数年で赤みのある飴色へ | やや柔らかい | 経年変化を楽しみたい人 |
| ウォールナット | 濃い茶。落ち着いた高級感 | 中〜硬め | 照明計画とセットで重厚に仕上げたいとき |
| チーク | 金茶。油分を含み水に比較的強い | 中 | 玄関・水まわりに近い場所 |
| パイン・スギなど針葉樹 | 非常に明るく柔らかい足触り | 柔らかい | 素足の温かさ重視。傷は前提 |
傷のつきやすさは樹種の硬さでほぼ決まります。針葉樹(パイン、スギ、ヒノキ)は足触りが温かい代わりに、椅子を引いただけで凹みます。逆にハードメープルは硬く傷に強いものの、冬場は足裏に冷たさを感じやすい傾向があります。
色の見え方は面積で変わります。ショールームの小さなサンプルで「ちょうどいい濃さ」と思ったウォールナットは、20畳のLDKに敷くと想像よりかなり暗く感じます。サンプルは必ずA4以上の大きさを借りて、実際に建てる土地の日照方向を意識しながら、床に置いて上から見てください。手に持って目の高さで見るのと、床に置いて見下ろすのとでは印象が変わります。
床材や造作の仕様は、担当設計士との相性でも仕上がりが変わります。「どこまで頼めるのか」「他社ならどう提案されるか」を第三者の視点で整理したい方は、お気軽にご相談ください。
LINEで無料相談する造作家具はどこまで頼めるか
住友林業の内装で満足度が高いのは、実は床より造作家具だという声も多く聞きます。木材を扱う会社であること、そして提携する家具工場のラインを持っていることから、既製品では収まらないサイズや樹種の統一が実現しやすいためです。
造作で依頼されることが多いもの
- TVボード(配線を壁内に通し、床から浮かせるフロート仕様が人気)
- ダイニング横のカウンター・スタディコーナー
- 玄関のシューズボックス+ベンチ+手すりの一体造作
- 洗面化粧台(既製品をやめて、天板とボウルを選んで造る)
- 本棚・ニッチ・飾り棚
- キッチン背面のカップボード(既製品より奥行きを自由に決められる)
ポイントは、造作家具は「床と同じ樹種でそろえる」と一気に空間がまとまるということです。オークの床にオークのTVボードとオークの建具を合わせると、後から家具を買い足すときも色に迷わなくなります。
一方で、造作には向き不向きもあります。
造作にしない方がよい場合
- 10年以内に用途が変わりそうな場所:子ども部屋の学習カウンターなど。固定してしまうと模様替えができません
- 大型家電が入る場所:将来テレビが大型化したとき、造作の寸法が足かせになることがあります
- とにかく予算を抑えたい場所:既製品の方が安く済むケースは珍しくありません
木質天井・格子の使いどころ
木質天井や格子は、住友林業らしさが最も出るアイテムですが、使いすぎると和風旅館のようになるという落とし穴があります。うまく使っている家には共通点があります。
木質天井が効く場所
- リビングの一部だけ:ソファまわりやダイニング上だけを木質にして、他は白天井のまま。視線が集まる場所を「囲う」効果が出ます
- 勾配天井:平屋やリビング上の吹き抜けなど、面積が広く見える場所。梁を見せる場合は特に相性が良い
- 玄関・ポーチ:屋外の軒天から室内の玄関天井へ木質を連続させると、外から中への視線が伸びて広く見えます
格子(ルーバー)は、「仕切りたいが閉じたくない」場所に効きます。リビング階段の目隠し、玄関からLDKへの視線カット、吹き抜けの手すり代わりなど。ただし、格子はホコリが溜まります。手が届かない高さに大面積で入れると、掃除の手段がなくなるので注意が必要です。
木質天井・格子は「後から足せない」項目です。壁紙は貼り替えられますが、天井の下地や格子の固定は構造・電気配線と絡むため、着工後の追加はほぼ不可能と考えてください。逆に言えば、この2つは仕様確定前の打ち合わせで優先的に議論すべき項目です。
入居後の木部のお手入れ方法
木質建材を選んだ以上、入居後の付き合い方まで含めて計画しておくと後悔が減ります。仕様ごとに、必要な手間はまったく違います。
| 仕様 | 日常 | 定期 | やってはいけないこと |
|---|---|---|---|
| 無垢(オイル塗装) | 乾拭き・掃除機 | 半年〜1年に一度、オイルの塗り直し | 水拭きの多用、アルコール除菌の吹きかけ |
| 無垢(ウレタン塗装) | 乾拭き・固く絞った雑巾 | 塗膜が薄くなったら再塗装(十数年単位) | 研磨剤入り洗剤 |
| 挽板・突板 | 乾拭き・固く絞った雑巾 | 基本は不要。ワックスは指定確認を | スチームモップ(接着層を傷めます) |
| 造作家具の木部 | 乾拭き | 可動部の緩みを年1回確認 | 直射日光を当て続ける(色ムラの原因) |
入居直後にやっておくと後が楽なこと
- 椅子の脚にフェルトを全脚貼る(無垢・針葉樹は入居日に貼るくらいの気持ちで)
- キッチンと洗面の足元にマットを敷く(水染みは一度入ると抜けません)
- 引き渡し時に「この床の推奨清掃方法」を書面でもらう(塗装の種類で正解が変わります)
- 南面の掃き出し窓前は日焼けしやすいので、ラグの位置を数年おきに動かす
無垢材の傷や凹みは、濡らしたタオルを当ててアイロンを軽く当てると、繊維が戻って目立たなくなることがあります(塗装の種類によっては不可なので、必ず担当に確認してください)。突板ではこの方法は使えません。「直せる床か、直せない床か」も選択基準の一つです。
よくある質問
Q. 無垢と突板、どちらを選ぶ人が多いですか?
A. 全面無垢にする方は少数派で、リビングなど主要な部屋だけ無垢や挽板、その他は同じ樹種の突板という組み合わせが現実的な落としどころとして選ばれています。予算・手入れ・見た目のバランスが取りやすく、樹種をそろえれば統一感も損なわれません。
Q. 樹種は部屋ごとに変えても大丈夫ですか?
A. 変えること自体は可能ですが、扉を開けたときに2つの床が同時に見える場所では避けた方が無難です。廊下とLDKで樹種が違うと、境目の見切り材が目立ちます。変えるなら「2階の個室だけ」「水まわりだけ」のように、視線が連続しない単位で区切るのがおすすめです。
Q. 床暖房を入れる場合、樹種の制約はありますか?
A. 床暖房対応の床材は種類が限られます。特に無垢は熱による伸縮の影響が大きいため、対応品かどうかを必ず確認してください。挽板・突板は対応品のバリエーションが比較的多く、床暖房と本物の木目を両立したい場合の現実解になります。
Q. 造作家具は後から追加できますか?
A. 壁に固定しないタイプ(置き家具)なら入居後でも相談できますが、配線を壁内に通すTVボードや、壁下地の補強が必要な吊り棚は、建築中でないと難しいです。将来つけるかもしれない場所は、下地補強だけでも入れておくと選択肢が残ります。
Q. 木質天井にするとリビングが暗く見えませんか?
A. 面積と照明計画次第です。天井全面を濃い樹種にすると圧迫感が出やすいので、ダイニング上など一部だけに絞る、または明るい樹種を選ぶと軽やかに収まります。あわせて間接照明を天井に向けると、木目が浮き上がって暗さを感じにくくなります。
Q. ペットがいる家でも無垢材は選べますか?
A. 選べますが、爪跡は確実に残ります。硬めの樹種(オーク、ハードメープル)を選ぶ、滑り止め効果のある塗装を検討する、犬の動線にラグを敷く、といった対策を組み合わせるのが現実的です。傷が気になるタイプの方は、突板や挽板の方がストレスが少ないでしょう。
Q. サンプルはどのくらいの大きさで確認すべきですか?
A. できるだけ大きいものを、複数枚借りるのが理想です。無垢は一枚ごとに色柄が違うため、1枚だけ見て決めると実際に敷いたときの印象がずれます。可能であれば、同じ樹種を採用した完成物件や展示場で、面で見せてもらってください。
この記事のまとめ
- 住友林業の木質建材は、床材・内装化粧材・造作家具・木質天井/格子の4カテゴリー。樹種と色味をそろえると空間がまとまる
- 無垢・挽板・突板・シートの違いは「質感」と「手入れ・傷への強さ」のトレードオフ。全面無垢より、触れる場所だけ無垢が現実的
- 樹種の傷つきやすさは硬さでほぼ決まる。針葉樹は温かいが凹みやすく、ハードメープルは硬いが冷たさを感じやすい
- 造作家具は住友林業の強み。ただし用途が変わる場所・大型家電まわりは既製品の方が無難
- 木質天井と格子は着工後に追加できないため、仕様確定前に優先して議論する
- 入居後は塗装の種類で正解の手入れが変わる。引き渡し時に清掃方法を書面でもらう
間取りや費用感、平屋としての住み心地については 住友林業の平屋GRAND LIFEの住み心地|間取りと費用感 で詳しく解説しています。断熱や体感温度が気になる方は 住友林業は寒い?断熱性能と住み心地を建てた人に聞いた、外壁の維持については 住友林業シーサンドコートのひび割れ補修費はいくら? も参考になります。構造と間取りの自由度は 住友林業ビッグフレーム構法の柱は太くて邪魔? をご覧ください。




















