夜、家の中が静まり返ったとき、天井裏や廊下の方から「ヴーン」という低い音が聞こえる。一条工務店のロスガード90がうるさいのではないか——検討中の方からも、住み始めたばかりの方からも、そんな不安の声が聞かれます。
先に結論をお伝えすると、ロスガード90の運転音そのものは決して大きくなく、「うるさい」と感じるかどうかは設置場所・換気量の設定・メンテナンス状態でほぼ決まります。逆に言えば、間取りの段階と入居後のちょっとした工夫で、音の悩みの大半は回避できるということです。
この先では、音の実態と原因、静かにするための対策に加えて、検索でよく一緒に調べられているフィルター交換の費用・電気代・虫対策・掃除の手間まで、住まぽちのアドバイザー視点でまとめて整理します。
一条工務店のロスガード90とは?第一種換気の基礎知識
ロスガード90は、一条工務店の家に標準装備されている24時間全熱交換型換気システムです。給気も排気も機械で行う「第一種換気」で、排気する室内の空気から熱と湿度を回収し、外から取り込む新鮮な空気に移し替えます。
名前の由来にもなっている温度交換効率は約90%。外気が0℃の真冬でも、室温に近い温度まで温めてから給気するため、換気をしても室温がほとんど下がりません。窓を開けない換気なので、花粉やPM2.5、外の騒音の影響を受けにくい点も特徴です。
なぜ一条工務店の家には高性能な換気が標準なのか
一条工務店は1978年設立、従業員約7,100名の大手ハウスメーカーで、木造軸組工法と2×6(枠組壁工法)を手がけています。坪単価の目安は80〜105万円と決して安くはありませんが、その分、外内ダブル断熱やトリプル樹脂サッシ、全館床暖房といった「性能への投資」に振り切っているのが特徴です。耐震等級は最高等級の3を確保しています。
気密性の高い家は、すき間からの自然な空気の入れ替わりがほとんど起きません。だからこそ、計画的に空気を入れ替える第一種換気が必須になります。つまりロスガード90は「オプション的な快適装備」ではなく、一条工務店の高気密・高断熱住宅を成立させるための土台なのです。全館床暖房の熱を逃さず換気できるのも、熱交換率90%があってこそです。
24時間換気システム自体は、2003年の建築基準法改正でどの住宅にも設置が義務付けられています。他社の多くが給気を自然吸気に頼る「第三種換気」なのに対し、一条工務店は熱交換付きの第一種換気を標準にしている、という違いです。
ロスガード90がうるさいと言われる4つの状況
実際に住んでいる人の声を集めると、「テレビや生活音があれば気にならない」という評価が多数派です。一方で「うるさい」と感じた人には、共通する状況があります。
1. 寝室や書斎のすぐ近くに本体を設置した
最も多いのがこのパターンです。ロスガード90の本体は約1マス(畳1枚弱)分のスペースを取り、モーターとファンが24時間回り続けます。日中の生活音の中では気にならなくても、深夜の静けさの中では「ヴーン」という低周波寄りの運転音が耳につくことがあります。寝室の壁一枚隔てた場所や、寝室ドアの正面に本体があると、音に敏感な人は気になりやすい配置です。
2. 換気量の設定が「強」になっている
ロスガード90は換気量を段階的に調整できます。引き渡し時や来客後に強めの設定のままになっていると、ファンの回転数が上がり、運転音も給気口からの風切り音も大きくなります。
3. フィルターの目詰まりでファンに負荷がかかっている
給気フィルターや防虫袋が汚れで詰まると、同じ換気量を確保するためにファンが余計に回り、音が大きくなります。「最近なんだか音が大きくなった」と感じたら、故障よりも先にフィルターの汚れを疑うのが正解です。
4. 経年劣化・不具合による異音
10年前後使い込むと、モーターの軸ずれなどで「ガタガタ」「キュルキュル」といった明らかな異音が出るケースがあります。これは通常の運転音とは別物で、アフターサポートに点検を依頼すべきサインです。なお、旧型に比べて現行モデルは静音性が改善されており、音の評判は年式によっても差があります。
ロスガードの音を抑える対策|間取り段階と入居後でできること
音の対策は「建てる前」と「住んでから」の2段階に分けて考えると整理しやすくなります。
建てる前(間取り段階)にできる最大の対策
本体の設置場所を、寝室・書斎から壁1枚で接しない位置(廊下・収納・脱衣所まわりなど)にすること。ロスガードは後から移動できないため、設置場所の検討は間取り決めそのものです。
一条工務店の間取りには、ロスガード以外にも窓や垂れ壁など「知らずに決めると後悔するポイント」がいくつかあります。一条工務店の30坪の間取りで後悔した実例もあわせて確認しておくと、設計打ち合わせで先回りできます。
入居後にできる対策は次のとおりです。
- 換気量の設定を見直す:家族の人数と家の広さに合った段階まで下げる。最弱設定ではかなり静かになったという声が目立ちます
- フィルター・防虫袋を定期交換する:目詰まり解消でファンの負荷と音が下がる
- 寝室のドアを閉めて寝る:高気密住宅でも各室の給気は確保されるため、換気上の問題はありません
- 異音がしたらアフターサポートへ:モーター等の不具合なら部品交換で解消します。保証期間内なら無償対応となるケースもあります
音が気になるからといってロスガードの電源を切るのはNGです。24時間換気は建築基準法で義務付けられているうえ、高気密住宅で換気を止めると湿気がこもり、結露やカビの原因になります。
ロスガード90のフィルター交換|種類・頻度・年間費用
「うるさい」と並んで気になるのが維持の手間とコストです。ロスガード90のフィルター類は複数ありますが、年間の消耗品費はまとめても2,500〜3,000円前後に収まるのが実際のところです。
| 消耗品 | 交換の目安 | 年間費用の目安 |
|---|---|---|
| 給気フィルター(標準) | ランプ点灯時 or 年1回 | 約1,200円 |
| 給気フィルター(PM2.5対応) | ランプ点灯時 or 年1回 | 約1,300円 |
| 防虫袋 | 約4ヶ月ごと | 約400円 |
| キッチン給気口フィルター | 汚れたら交換 | 約450〜800円 |
| 排気口フィルター | 汚れたら交換 | 約400円 |
※価格は購入時期・仕様により変動します。フィルター類は一条工務店の公式アプリからまとめて購入できます。
掃除自体は、本体カバーを開けてフィルターを外し、掃除機でホコリを吸うだけの作業です。慣れれば1回10分程度ですが、交換箇所が本体・キッチン・各排気口と分かれているため、最初は戸惑う人が多い印象です。
虫がびっしり?防虫袋の実態と対策
「ロスガード 虫」で検索されるのは、給気の入口に付いている防虫袋の存在が理由です。外気を取り込む構造上、虫は必ず吸い寄せられますが、防虫袋がキャッチするため室内にはほぼ入りません。裏を返せば、交換のたびに虫の溜まった袋を目にするということでもあります。
防虫袋は「虫が入る欠陥」ではなく「虫を室内に入れないための仕組み」です。虫が苦手な方は、袋を密閉できるビニール袋を用意して袋ごと即封印する方法が定番です。
ロスガードの設置位置まで踏み込んだ間取りの相談、一条工務店と他メーカーの比較など、家づくりの疑問をLINEで気軽に聞けます。しつこい営業は一切ありません。
LINEで無料相談するロスガード90の電気代と長期の維持費
24時間365日回り続けると聞くと電気代が心配になりますが、実際に住んでいる人の報告では月300円前後という声が多く、負担感はごくわずかです。熱交換で冷暖房のロスを抑えられる分を考えると、トータルの光熱費ではむしろプラスに働きます。一条工務店の光熱費で金額が大きいのはむしろ床暖房側なので、気になる方は全館床暖房の電気代のリアルを確認してみてください。
一方で、正直にお伝えしておきたいのが長期の維持費です。ロスガード90の本体は消耗する機械なので、10〜15年程度でモーターや本体の交換が必要になる可能性があり、その際は20万円台の費用がかかったという報告が見られます。30年住むと考えれば、フィルター代と合わせて数十万円規模の維持費を見込んでおくのが現実的です。
これはロスガードに限らず、太陽光パネルや防蟻処理を含めた一条工務店の家全体に言える話です。一条工務店の10年点検の費用と修繕の内訳で、長期のメンテナンス計画をまとめて把握しておくことをおすすめします。
結局ロスガード90は「あり」か?住まぽちアドバイザーの見解
音・手間・維持費というデメリットを並べてきましたが、それでもロスガード90を理由に一条工務店を避けるのはもったいない、というのが率直な見解です。換気で熱を逃さない仕組みは、全館床暖房や高断熱の快適さと一体のパッケージだからです。
住まぽちアドバイザーの所感
「家は、性能。」を掲げる一条工務店さんは、外内ダブル断熱やトリプル樹脂サッシ、全館床暖房による高い気密・断熱性能が大きな魅力です。屋根一体型の太陽光発電で光熱費にも配慮でき、収納たっぷりで家事ラクな間取りも得意。子育て世代で、住んでからの快適さや性能をしっかり重視したい方におすすめです。
なお、換気とセットで検討されがちな除湿・加湿の空調オプションについては、さらぽか空調の電気代と「いらない」と判断した人の理由で詳しく扱っています。また、換気や床暖房も含めた総合的な住み心地は一条工務店に住んでみた人の本音が参考になるはずです。
この記事のまとめ
- ロスガード90の運転音は静かめだが、寝室隣接の設置・強めの換気設定・フィルター詰まりで「うるさい」と感じやすくなる
- 最大の対策は間取り段階で本体を寝室から離すこと。入居後は換気量調整とフィルター掃除で改善できる
- フィルター類の年間費用は2,500〜3,000円前後、電気代は月300円前後と日常コストは軽い
- 10〜15年での本体交換など長期の維持費は見込んでおく必要がある
- 電源オフはNG。異音がしたらアフターサポートへ
よくある質問
Q. ロスガード90の音はどれくらいうるさいのですか?
A. 生活音がある日中はほとんど気にならないレベルで、「テレビや会話にかき消される程度」という声が大半です。ただし深夜の静かな環境では低めの運転音が聞こえるため、寝室のすぐ近くに本体があると気になる人がいます。
Q. 寝室の近くにロスガードを設置しても大丈夫ですか?
A. 壁1枚で寝室と接する配置は、音に敏感な方には推奨しません。間取り打ち合わせの段階で、廊下・収納・脱衣所側など生活空間から一歩離れた位置に設置できないか相談するのが確実です。
Q. フィルター交換の費用は年間いくらかかりますか?
A. 給気フィルター・防虫袋・排気口フィルターなどをすべて交換しても、年間2,500〜3,000円前後が目安です。PM2.5対応の高性能フィルターを選んでも大きくは変わりません。公式アプリからまとめて購入できます。
Q. ロスガード90の電気代は月いくらですか?
A. 実際に住んでいる方の報告では月300円前後という声が多く、24時間稼働のわりに負担は小さめです。熱交換により冷暖房の熱ロスを抑えられるため、光熱費全体ではむしろ節約に働きます。
Q. 音が気になるのでロスガードを止めてもいいですか?
A. 止めるのはやめてください。24時間換気は建築基準法で義務付けられており、高気密住宅で換気を止めると湿気がこもって結露やカビの原因になります。まずは換気量の調整とフィルター掃除、それでも改善しなければアフターサポートへの相談をおすすめします。
Q. ロスガード本体の寿命と交換費用はどれくらいですか?
A. 10〜15年程度でモーターや本体の交換が必要になる可能性があり、20万円台の費用がかかったという報告があります。10年点検のタイミングで状態を確認し、長期の修繕計画に組み込んでおくと安心です。
Q. ロスガードから虫が入ってくることはありますか?
A. 給気口に防虫袋が付いているため、室内まで虫が入ってくることはほぼありません。ただし防虫袋には虫が溜まるので、約4ヶ月ごとの交換が必要です。虫が苦手な方は袋ごと密閉して捨てる方法が定番です。














